【 2021年 2月の保良ゲート前】
2月25日、宮古島市議の下地茜さんから、重要な報告。以下…
おはようございます。今朝防衛局へ電話をしました。
〈2月22日〜26日、日米共同訓練について〉
◯ 人の出入りのない訓練。
◯ 統合幕僚監部でお知らせを出すが、沖縄防衛局にも市にも連絡がなかった。
◯ 沖縄防衛局からは、施設内外関わらず知らせてほしいと伝えている。
〈保良のスケジュールについて〉
◯ 本年度末で弾薬庫2棟の完成を目指している。
◯ 検査等済み次第すみやかに運用引き継ぎをする。
◯ 訓練場の工事は続く。
◯ 火薬量は、工事に影響のない範囲で入れる。
年度内には火薬を運び入れる予定のようです。実績を作って諦めさせたいのかもしれません。
…千代田の基地では日米共同訓練(机上)が行われた。しかも、防衛局の頭越しとはどういうことか。「軍部の暴走」ではないのか。
保良。年度内に弾薬庫2棟(3棟建設の計画、1棟は用地係争中のため手つかず)を完成、検査を済ませ基地開設、工事を続けながら2棟の弾薬庫の運用を先行して開始する、という方針が明らかになった。宮古島に地対艦ミサイル/地対空ミサイル弾体が運び込まれ、保良・七又集落に暮らす人びとの枕元にミサイルが置かれ、宮古島〜琉球弧を最前線=戦場の候補地とするミサイル戦争態勢が始動する、という恐るべき事態が、間近に迫っている。このままでは、本当に。
工事は、土日休日関係なく、毎日早朝7時頃から夜の10時頃まで、急ピッチで行われている。
▲2021年3月5日 撮影
(3月14日現在)弾薬庫2棟は芝生で覆われ、フェンスで囲まれ、地面は舗装された。3月4日頃から、多数の検査員が入っている。フェンスには電気コードが取り付けられた。
12日には門柱の基礎工事も終わったようだ。ゲート周りは廠舎も建てられ掲示板も設置され基地らしくなりつつある。工事中の簡易トイレも撤去されたらしい。3月に入って射撃場の工事も本格化している。基地周囲ではフェンスや外灯の設置が進む…
来週からは、いよいよ、いつ自衛隊の配備やミサイルの弾薬が運び込まれるかが焦点になると思います。皆で頑張りましょう。
と、ゲート前で、薫さん(3月13日の「保良だより」)。
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いっぽうで、3月5日の日本経済新聞の報道ー
『米軍、アジアに対中ミサイル網 6年で2.9兆円要望』
…米政府と議会はインド太平洋地域での中国への抑止力を強化するため、 2022会計年度(21年10月~22年9月)から6年間で273億ドル(約2兆9000億円)の予算を投じる案を検討する。沖縄からフィリピンを結ぶ第 1列島線に沿って米軍の対中ミサイル網を築く。
アジア太平洋地域などを所管する米国のインド太平洋軍は3月上旬、中国対抗に向けた戦力や予算額を明記した要望書を議会に提出した。米議会や実現に向けた関係国との調整を本格化させる。
日本経済新聞が入手した要望書は「中国抑止に向けた重要な軍事能力に(財政面の)資源を集中させる」と明記。
インド太平洋軍が要求した22会計年度の予算は46億ドルで、21会計年度に計上した22億ドルから2倍超に拡大。米政府が対ロシア向けにこれまで計上してきた年50億ドル前後に匹敵する規模をめざす。
要望書は中国対抗の柱として「第1列島線に沿った精密攻撃ネットワークの構築」をあげた。地上配備型ミサイルの活用を拡大する。米軍は核弾頭の搭載を明確に否定しており、通常兵器による対中包囲網を築く。
海兵隊は中国艦船を標的に、射程200キロメートル程度の地対艦ミサイルの開発に着手している。地上移動式の無人車両に搭載して機動性を高め、中国のミサイル攻撃を回避する。陸軍も地対艦ミサイル配備をめざしている。
ミサイル網は「西太平洋の島々へ地理的に分散する必要がある」とも指摘した。少数の基地に部隊を集中させれば、中国軍の集中攻撃を浴びて米軍の戦力が一気に 低下するリスクがある。拠点を分散させて共倒れを回避する狙いだ。…
2019年に提示された米軍の新戦略「海洋プレッシャー戦略」(CSBA:戦略予算評価センター)が、いよいよ実現に向けて米議会での検討が始まった。琉球弧の島々が日米両軍のミサイル戦争のためにつくり変えられ、利用される、そういう未来が現実味を帯びてきた。(参考▶12月の保良ゲート前)
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3月7日、「島々シンポジウム」がオンラインで開催された。保良(ミサイル・弾薬庫反対!住民の会)からは、下地博盛さんと下地茜さんが出席。
茜さんは反対の理由として、集落に近すぎることと、火薬の保管量にしてもブースター落下区域に関しても説明ができていないことを挙げた。また、宮古島市は「弾薬庫が建設されることを反映した国民保護計画は策定しておらず、今のところ策定予定もない」のだという。
「小さな島で何かあったときに、おそらく誰も責任はとれない。犠牲になるのは私たち自身だ。」
と茜さん。
「(集落の家屋等が)保安物件の第何種に相当するのかも知らされていないし、聞いても答えてくれない。」
という博盛さんの話はほんとうに驚くべきことだ。
博盛さんはまた、
「基地機能を可能な限りダウンさせる、出来れば基地機能の無力化を目指す闘い方を模索しながら日々の活動を行っている。」
と話し、茜さんも
「ここに暮らす住民の生活を守る、ということをふまえながら、現実的にどうやっていくのか…」
と、今後の展望を話した。基地開設や運用開始という事態が目の前に見えて来た状況においても、前を向き、未来を切り拓こうという姿勢に、本当に頭が下がります。
(▼そのほか、重要な話がたくさんです。昨年防衛省が行った全国の弾薬庫の点検で41ヶ所で法令違反が見つかった!こと、戦前の「要塞地帯法」が復活!?のこと、などなど。ぜひご覧下さい!
司会:三上智恵さん(映画監督)/宮古島保良「ミサイル弾薬庫反対!住民の会」から 下地博盛さん、下地茜さん/宮古島「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」から 楚南有香子さん、石嶺香織さん/軍事ジャーネリスト 小西誠さん/屋久島から 星川淳さん/奄美大島から 佐竹京子さん/福島みずほさん(国会議員)。)
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そこに生きている人間がいる、ということが本当に無視されているのだと、島々に暮らす人の声を聞くとよく分かる。茜さんの挙げた反対の理由にしても本来は賛成反対以前の話で、人の住む島に基地を造ると言うのならば最低限クリアしなければならないことを置き去りにして、既成事実作りだけが力づくで進められている(馬毛島のような無人島の場合、さらに容赦なく島を壊そうする…)。
ここに表れている人権蹂躙・人命無視・琉球差別は、「南西諸島自衛隊配備計画」「南西シフト」の本質そのものだ。これ自体が「侵略」ではないか、と言いたくなる。
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戦争を止めるために必要なのは、いま現実に小さな島々や小さな集落で進められている、ひとつひとつの人命無視の差別的政策を止めていくことではないのか。保良を見過ごすことは戦争を見過ごすことだ。全国から、保良ミサイル弾薬庫開設を許さない! 宮古島にミサイルを持ち込ませない!の声を!
うたうたいのFujikoさん(埼玉県在住)は保良ゲート前行動のSNSグループに参加して、ほぼ毎日、「保良だより(遠隔リポート)」を、保良の方々の許可を得てfacebookとtwitterに発表しています。
↓以下、「保良だより」を〝毎月第一土曜日の島じまゆんたく〟でスライド上映するために2月分をまとめたものです(原文はFujikoさん/編集は石井杉戸)。
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