【宮古島へ行ってきました】①
2021年4月3日、保良へ…
「陸上自衛隊 保良訓練場」
と、門柱に看板が掲げられていた。どうやらこれが、この施設の(現時点での?)正式名称らしい。どう考えてもここは、ミサイル弾薬庫がメインの施設だ(いずれは地対艦ミサイル部隊の基地になることが予想される)。2棟の弾薬庫が2020年度内に完成して「4月供用開始」と報道された。一方、射撃訓練場は基礎工事が始まったばかりだし他の訓練場とされる予定の場所には剥き出しの地面があるばかりだが、新年度4月1日から「保良訓練場」として弾薬庫等の「供用」がスタートした、ということのようだ。
ともかく、敷地内の大半は工事現場に見えるが、4月から、ここはもう基地になってしまった。「南側ゲート」と呼ばれていた場所は、「正門」になった。入り口には自衛隊員が常駐し、工事車両に混ざって、自衛隊車両が出入りしていた。
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4月3日(土)、埼玉から3人で、16ヶ月ぶりに保良へ。一分一秒でも工事を遅らせようと、2019年10月7日の着工以来、日曜日以外のほぼ毎日、朝早くからゲート前での抗議行動を続けてきた地元の方々と再会しました。
16ヶ月前・2019年12月、当時抗議活動が行われていた北側のゲート前は、活気にあふれていた。工事は始まってしまったけれど、こんな非人道的な軍事施設建設が住民を無視して行われるのを、世の人びとが許すはずがない。住民たちは工事車両の前に立った。
ゲート前での住民による牛歩や座り込み、…このような形の抗議行動は、一連の琉球弧自衛隊配備に対するものとしては、それまではなかった。一分でも一秒でも、工事を遅らせる!、…その姿は全国からの注目を集め、ゲート前は抗議の人びとであふれ、そして抗議行動によって積み重ねられた時間は、全国的な、保良弾薬庫建設と琉球弧の軍事化に対する大規模な反対運動をもたらすはずだった。しかし「コロナ禍」と呼ばれる状況が、それを阻んだ。
全国の市民運動/平和運動は停滞し、工事は遠慮なく進んだ。土曜も、休日も、「慰霊の日」も、…日曜日と台風の日と大晦日と正月三が日以外は毎日工事は行われた。けれども、決して多くはない人数だけれど、地元住民の抗議行動は粘り強く…工事のある日は毎日…、続けられた。たったひとりでも、トラックを止めることはできる!。こうして積み重ねられた一分一秒は、いまも生きているはずだし、全国の私たちが、これから生かさなければならない。
2021年になって、工事強行は一段とエスカレートした。「工事の遅れを取り戻す」と当局が宣言した通り、日曜日も、夜間も、工事が行われるようになった。当局は「2020年度内(3月)開設」を目指すという。3月に入って、ゲート前住民の間で「カウントダウン」という言葉が使われるようになった。「気が重い」という声も聞かれた。夜間工事まで監視することはできない。朝ゲート前に行くと、昨日までそこになかったものが出来ていた、状況が一変していた、…ということが起こるようになった。住民の疲労やストレスは大変なものだったと思う。ゲート前の舗装は3月27日に始まり、路面に白線が引かれたのは3月31日のことだった。突貫工事によって基地としての見てくれがいちおう整えられ、4月1日に自衛隊がやって来た。
3棟建設計画のうち、完成した2棟の弾薬庫。「供用開始」といっても、ミサイルが運び込まれたわけではない。それがいつ頃計画されているのか、分からない。噂されていた「開設セレモニー」も行われた気配はなく、これから行われるのかどうかも分からない。工事車両は相変わらず、頻繁に出入りしている。
4月3日(土)、いろいろと宙ぶらりんな状況ながら、新たに「保良訓練場」とされた場所のゲート前で、住民の方々が工事車両を止めている。私たち3人も一緒に、車両を止めた。
「地元がやらないで誰がするのか。これからも、これまで通り、ゲート前での抗議行動を続けていく」
と、ミサイル・弾薬庫配備反対!住民の会、共同代表の下地博盛さんが決意を述べた。
ギリギリのところだが、まだ、琉球弧ミサイル戦争態勢は準備段階にあり、始動していない。保良にミサイルを搬入させてはならない。宮古島にミサイルを運び込ませてはならない。島々の軍事化を止めなければならない。弾薬庫から半径1km内に暮らす保良・七又集落の住民およそ358人の、そして最前線基地に仕立て上げられようとしている島々で暮らす人びとの、安心・安全な当たり前の生活を守ること。命を守ること。…いまこの国で戦争を止めるということは、そこから始まることだと思う。
タバコ畑の向こうに見えるのは、北側のゲート。
基地がなければのどかなところです。
完成した2棟の弾薬庫。
ブルーシートで囲われた辺りが係争中の土地で、3棟目の弾薬庫建設が目論まれている。向こうに保良の集落が見える。
南側ゲート(正門)前。
自衛隊のジープと工事車両。
抗議行動に参加。
工事現場から出て行くトラックを止めています。
かおなしさんも踊りながらトラックを止めています。
オレンジ色のラインの左側が防衛省が取得した土地、右側が県道。この線に近づくと、警備員が近寄ってきます。
正門のすぐ目の前は海。まいにち表情が変わる保良の海です。
この日から、土曜日の街頭宣伝が復活。
宮古毎日新聞社前、
…とサンエー(スーパー)前で。
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