【2021年 5月の保良ゲート前】
「陸上自衛隊 保良訓練場」(宮古島)開設2ヶ月目のゲート前。地元住民の、そして全国の人びとの、1分1秒でも工事を遅らせるたたかいは続く。そしてそこに、軍事訓練にたいする抗議と、弾薬搬入阻止のたたかいが加わった。
わたしたちの島を あきらめない
12日、宮古島市前市長の下地敏彦容疑者が収賄容疑で逮捕された。自衛隊配備利権をめぐる政官財の不正の、氷山の一角だと思われる。その翌日、13日午前9時30分、沖縄防衛局は宮古島市役所を訪れ、17日以降、保良弾薬庫に弾薬を搬入すると伝えた。日時や運搬ルート、弾薬の種類は公表できないという。
それは、いつかは来るだろうと分かってはいた…、いちばん恐れていたニュースだ。空の弾薬庫が、「世界一危険な弾薬庫」として運用が始まってしまう…。それはあまりも早く、とつぜんで、17日以降とは直前すぎる。日時ルート弾薬の種類さえ公表しないのはあまりにも理不尽だ。
「機密」?、そんなもの、くそくらえだ! なんでも「機密」で済ませる…そんな権限が防衛省に無制限に与えられていると思ったら大間違いだ。「機密」なんて言う前に、まず信用に値する組織になってみ
せろ!!…と言いたくなってしまいます。
座喜味市長は、市民の生命・財産を守る立場から、日程・ルートなどの情報の公開、具体策を示すことを含めた安全面への最大限の配慮を求めた。
市民団体は、市として弾薬搬入をしないよう求めるよう要請書を提出した。そして、今日か、明日にでも弾薬が搬入されるかもしれない…、という不安を強いられる状況の中で、17日から5日間連続の抗議のスタンディングを、ゲート前行動後の夕方の市街地で行った。
わたしたちの島を あきらめない
…あまりにも重い、切実すぎる言葉だ。「本土」などと呼ばれる(呼ばせてしまっている)土地に住む私たちは、この言葉を受けとめられるだろうか。しかし、受けとめなければならない。
その後…28日、沖縄県内の主要海運業者が弾薬の輸送を行わないと防衛省に申入れたという、嬉しいニュースが飛び込んできた。28日の超党派による省庁ヒアリングでは、「宮古島市から、国民保護計画が改定されるまでミサイル搬入を待って欲しいという要請があったら…」との質問に、防衛省は「そういうご意向があれば、尊重するのは当然」だと答えた。弾薬搬入は止められる、という希望が見え始めたその矢先…
6月2日、住民の希望をあざ笑うかのように、あるいは海運業者による拒否への「腹いせ」のように、空輸(自衛隊ヘリ)で、弾薬が宮古島に運び込まれてしまった…(詳細は「6月の保良ゲート前」で)
※ただし、地対艦・地対空ミサイル弾体はまだ運び込まれていない(7月1日現在)。ミサイル戦争態勢はまだ始動していない。
※
24日、夜間空砲射撃訓練が行われた。夜中、射撃音が集落に響き渡った。翌25日には模擬弾を使用した火砲の訓練で集落にドーンという音が響いた。(▶ブログ「草花万想」)
地元住民の方が駐屯地に抗議の電話をしたところ、「空砲訓練はどこの訓練場でもやっている」との返答だったという。
どこかで聞いたような答えだ。2019年4月、開設したばかりの「宮古島駐屯地」の住民を騙して造られた弾薬庫に、住民を騙して中距離多目的誘導弾や迫撃砲弾が保管されていた問題で、岩屋防衛相(当時)が「標準装備なので説明が必ずしもしっかり行われていなかった」などと言い訳していた。
自衛隊/防衛省にとっての当たり前は、住民にとっての当たり前ではない。しかし本来内部でしか通用しないような「当たり前」を、広く妥当するものと思い込んでしまう、…そういう防衛省/自衛隊の傲慢な体質が浮かび上がってくる。「どこでもやっている」とか、「標準装備」だとか、住民の知ったことではない。軍隊にとっての「当たり前」を、島々に押しつけるな!
「そんなことはここでは通用しない!」と言う権利は、住民の方にあるはずだ。
うたうたいのFujikoさん(埼玉県在住)は保良ゲート前行動のSNSグループに参加して、ほぼ毎日、「保良だより(遠隔リポート)」を、保良の方々の許可を得てfacebookとtwitterに発表しています。5月27日は300回目の投稿、一周年となりました。
↓以下、「保良だより」を〝毎月第一土曜日の島じまゆんたく〟でスライド上映するために5月分をまとめたものです(原文はFujikoさん/編集は石井杉戸)。
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