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2021年 7月の保良ゲート前

2021年 7月の保良ゲート前】

 

人の暮らす島に、軍事施設を造るべきではない。

人が住む場所の近くに、軍事施設を造ってはならない。

ましてや、弾薬庫を…それも大きな破壊力をもつミサイルを置くような弾薬庫を…民家のすぐ傍に造るなど、もってのほかである。

 

 …このような、世界的に共有されているはずの「あたり前」が、一連の琉球弧への自衛隊配備においては、まず放棄された。だからその後はもう、やりたい放題だ。住民の権利・安心や安全は置き去りにされた。

…「南西諸島防衛計画」というものが構想されたその始まりから、それは置き去りにされたままだ。

 

 

あくまでも、隊員が普段から行う体育訓練…ようは行進ですとか、ちょっとした体力強化等の運動ですね。そういったことを具体的にはやっていくんじゃないかと思っております。一部車両とかを使ったりしてですね、車両の展開訓練とか、テントを張るだとか、野外訓練だとか、そういったことだと思 いますが、振動だとか騒音だとかそういったものが生じるとは、基本的には考えておりません。具体的にそういう事例が発生したときは、きちんと調整させてい ただくことになるかと思います。」

 

およそ日本全国的にもですね、こうした弾薬庫訓練場でですね、大きな騒音が生じているということはございません。その点は、お約束させていただけると思います。

 

…屋外訓練について、2018年8月25日(着工前)防衛省による住民説明会(保良公民館)での防衛省見解。

 

 

 ことし4月に宮古島「保良訓練場」の運用が始まり、射撃訓練場はまだ基礎工事中だが、屋外での訓練が行われるようになった。約12km離れた千代田の基地から、モノモノしいミサイル車両が連なってやって来る。のどかで静かな保良を、軍事車両がわがもの顔で走り回る(「軍事車両は時々走らせないと駄目になるらしく、駐屯地を出て走らせる必要があるとの事。軍事車両は2〜300台はあるので、そのうち島中が軍事一色になってしまうかも」…7月29日の保良だよりより)。そして5月24日、夜間空砲射撃訓練が行われた。夜中、射撃音が集落に響き渡った。翌25日には模擬弾を使用した火砲の訓練で集落にドーンという音が響いた。(▶5月の保良ゲート前)……

 

 …7月、保良の基地の傍に住む方がSNSで公開したのは、基地建設着工前の2018年8月に行われた保良公民館での防衛省による住民説明会でのやりとりの動画だった。上の引用は、「屋外でも演習があるということですが、騒音や振動は?」という住民の問いに対する防衛省の答え。

 

 言うまでもないかもしれないが、防衛省・自衛隊は、取り扱いには厳重な注意が必要で、大量の人間を簡単に殺すことができてしまう強力で危険な兵器を日常的に扱う、この国で唯一の組織だ。その組織が噓ばかりつく、ということであれば、防衛省や自衛隊の存在そのものがこの社会にとって最も重大な脅威だということになる。

 あるいは防衛省職員は噓をつくつもりはなく、ただ「日本全国的」な自衛隊の常識に基づいて答えただけなのかもしれない。だとすれば、それが結果的に噓になったことは、国・自衛隊の琉球の島々にたいする差別・植民地主義のあらわれだと言えるだろう。

 

◀6月から届けられるようになったという

『保良訓練場使用に関するお知らせ』

 

 

その〝週〟に訓練があるかないか、という大ざっぱな告知で、訓練場で訓練が行われる可能性のある日は毎日(土日以外)だ、ということが分かる。

14日〜18日の週は、いつ夜間訓練があるのか、住民は不安な夜を過ごすことになる。

 

驚くべきは「ヘリ使用」の欄があること。

そんな訓練も説明になかったことだ。ヘリパッドを造るつもりなのか?

 

 

※8月の「お知らせ」には「ヘリ使用」の欄がなくなり、

・破裂音や煙などを発することがあります。

・光や音を発することがあります。

・ヘリを使用する場合は別途お知らせします。

との注記が追加されていた。

 

 6月7日に市民団体は沖縄防衛局を訪れた際、説明と異なる訓練が行われたことを指摘・抗議した。そのことと、防衛省の噓を暴く動画が公開されたせいか、防衛局は保良訓練場における訓練の説明を8月に行いたいと申し入れたという。しかしそれは近隣住民のみが対象であり、録画も許されないという閉鎖的なものだと分かったため、住民団体は宮古島市長・沖縄防衛局・防衛省にたいし、「防衛局による保良・七又住民視察の透明性を求める要請」と「防衛局による全市民に開かれた市民説明会を求める要請」を行っている。

(▶ブログ:草花万想『2021.8.15 防衛局による地元説明会に際し透明性ある開催を求める要請』をぜひ読んで下さい!)

 

 防衛局は、何を説明するつもりなのか。謝罪のひとつもして、事前の説明は誤りだったと認めた上で、新たに説明し直せば事足りるというつもりではないのか。防衛局のなすべきことは、どうすれば住民が納得できるのか、「聞く」ことではないのか。

 


 うたうたいのFujikoさん(埼玉県在住)は保良ゲート前行動のSNSグループに参加して、ほぼ毎日、「保良だより(遠隔リポート)」を、保良の方々の許可を得てfacebooktwitterに発表しています。

 ↓以下、「保良だより」を〝毎月第一土曜日の島じまゆんたく〟でスライド上映するために7月分をまとめたものです(原文はFujikoさん/編集は石井杉戸)。

 

 




























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