官邸前抗議!…2021年11月
と、自衛隊統合演習と宮古島へのミサイル搬入をめぐって、
11月14日の官邸前。撮影:KENさん
11月29日(月)16時〜、
9月から始まった島じまスタンディング呼びかけ・月例の官邸前抗議!3回目。参加11人。
官邸に向かって、岸田総理に向かって、抗議のアピールをして下さった方々に感謝します。人びとの命と暮らしを守るために本当に必要なことは何か、それは島々にミサイルを置くことではないだろう、島民にカミソリの刃を向けることではないだろう、人びとの幸福のためという原点に立ったまともな政治を、軍縮を!
…などなど、たくさんのスピーチがありました。
島じまスタンディングからは、今回は特に、①琉球弧の島々を蹂躙する戦争訓練を許さない!②宮古島からミサイルを撤去しろ!③馬毛島基地建設につながる工事入札公告の撤回を!④石垣島ミサイル基地建設を中止しろ!…の4点を訴えました。(以下、主に①②について。③④については後日書きたいと思います。)
…陸上幕僚監部は弾薬搬入について、詳細は安全性の観点から差し控えると説明した上で、「宮古島島民の安心安全を守るためにも島内に弾薬を保管することは必要不可欠と考えている。また、早期に体制を確立することは抑止、対処力維持にも必要」と話した。 …宮古毎日新聞 11月15日より
…(陸自・水陸機動団団長 平田隆則陸将補)「(種子島ほど)実際的で大規模な訓練ができる環境はあまりない。実効的な抑止と対処の能力を持つことは、我が国の防衛にとって必要不可欠。大事。地元の人には理解してもらった上で、安全にしっかりと配慮して、引き続きこの素晴らしい環境で訓練していきたい」 …MBC南日本放送 ニュース「自衛隊が種子島で離島奪還訓練 その背景は?」11月25日より
(※太字は引用者)
何が「島嶼防衛」だ!
宮古島に搬入されたミサイルは島を守るものではない。一連の琉球弧への自衛隊配備と日米による軍備強化は、島々を守るためではない。連なる島々を使って、わざわざ軍事的緊張を高めるためのものだ。
地対艦ミサイルを主力とする海峡封鎖態勢・中国包囲網をつくり(その目的は中国軍艦艇の封鎖に留まらず、経済封鎖も含まれる。→2012年「オフショアコントロール戦略」など…「中国の輸出入はGDPの50%を占めるが、中国共産党の正統性は経済の成長を基盤としているので、経済圧力は紛争の解決に向けた大きな圧力となるし、封鎖の外側で世界経済が再編されてしまえば{中国にとって}更に事態は悪化する」)、東西冷戦に代わる新たな冷戦構図を描くために、琉球弧の平和な島々が最前線基地に仕立て上げられようとしている。
東西冷戦後の米国の戦略転換により中国が「脅威」として浮上し、日米安保が「再定義」(1996年 日米安保共同宣言→1997年 日米ガイドライン改定→1999年 周辺事態法→2003年〜数々の「有事法制」)され新たな軍事同盟として大きく変化し、米国にとって日本は戦争拠点から中国包囲の最前線となり、「島嶼防衛作戦」が策定(2000年の陸自教範「野外令」に初めて明記)され、自衛隊は日米共同作戦における最前線での軍事行動を「自ら」に行うことに決まった(2005年 日米合意〝変革と再編〟…日米同盟は「世界における課題に効果的に対処」、日本は「島嶼部への侵攻」等への対処に「自らを防衛し、周辺事態に対応する」)(更に、2015年に改定された日米ガイドラインでは「島嶼防衛と奪回作戦の実施」が明記され、「日本は防衛作戦を主体的に行う」「米軍は適切な支援を行う」ことになった。同年、「戦争法」が制定)。
米国の対中国戦略(2000年代は「対テロ戦争」等により停滞、2010年以降活発化…2010年「統合エアシーバトル構想」、2012年「オフショアコントロール戦略」等)(2010年以降「中国脅威論」も活発化…尖閣沖漁船衝突事故〜日本政府の尖閣3島国有化を機に…)に基づいて、琉球弧の島々の要塞化が着手された(2002年 西部方面普通科連隊…水陸機動団の前身…発足。2010年〜沖縄島の陸海空自衛隊の増強、宮古島空自基地レーダーの新設や換装。2014年 与那国島で陸自基地建設着工…)。2012年頃までは、地対艦などのミサイル部隊は「有事に島々へ機動展開」の構想(2012年 統幕文書「日米の動的防衛協力について」)だったようだが、島々にミサイル基地を新たに造る方向へエスカレートしていった(琉球弧の島々に新たに土地を取得して全く新しい基地を造るなど、それまでの〝常識〟では考えられなかった筈だ)。この自衛隊の暴走に覆い被さるかたちで、米国の戦略も大幅にエスカレートしていく。
…「第一列島線内の島々を中国の攻撃に耐え得る要所に変えることで、地域をアメリカに有利に利用するものである。」「これらの島々に配置された移動式ミサイルは、地表の複雑な地形の中で、中国が位置を特定し、追跡し、破壊することは困難であろう。」(2019年「海洋プレッシャー戦略」…CSBA戦略予算評価センター…〝第一列島線〟に米軍の各種ミサイルも配置。第一列島線上に前方配備された「インサイド部隊」が中国の海上部隊を撃破し海上封鎖、更に中国本土へ対地攻撃。第一列島線外側の海軍空軍「アウトサイド部隊」が「縦深防衛ライン」を形成し、バックアップや多方面攻撃…)…などど言い出す始末だ。
インド太平洋地域での覇権の維持・強化を求め、遥か遠くから米軍がやって来て、中国沿岸を囲むように、自衛隊とともに中国包囲態勢を敷く。その対応策として、中国は軍事拡大を進めてきた。琉球弧の更なる軍備強化や、数々の挑発的軍事演習は(さらに、英米豪の「オーカス」やEUの「インド太平洋戦略」、日米豪印の「クアッド」強化、その他の様々な国家間の「自由で開かれたインド太平洋」を標榜する軍事同盟や協力体制は)、中国に更なる軍拡に格好の理由を与えるものだ。軍拡競争がエスカレートすれば、戦争になってもならなくても、日本が真っ先に沈没するだろう。
「新冷戦」と呼ばれるが、そこには島々の戦場化が組み込まれている。大国同士の全面戦争を避ける仕組みとして、軍事的緊張が最高潮に達した際の発火点として、用意されているのが要塞化された琉球弧だ。「島嶼戦争」「海洋限定戦争」…その範囲で収まれば、それは大国にとって「平和」の範疇なのだろう。そういう「平和」は、私たちにとって、何なのだろうか。
軍事的緊張がなければ生きていけない、「敵」の存在がなければ自らも存在し得ない…そういう勢力を守るために、そういう勢力に占拠された権力・利権構造を維持・強化するために、琉球弧の島々が戦場の候補地として軍事要塞化されようとしているのであって、それは、島々で暮らす人びとにとっての、それぞれの地域で地に足をつけて生きる人びとにとっての、ひとりひとりの私たちにとっての平和を、ないがしろにし、破壊するものだ。
新たな戦争が「想定」され、「抑止と対処能力」という名で戦争が起こりうる条件が整備されていく。次の段階へ進んでいく。
11月14日、宮古島へミサイルが搬入されたことにより、これまで準備されてきた琉球弧でのミサイル戦争態勢が、はじめて、いつでも運用可能なものとして、即応態勢・実戦態勢に入っていく。
そして、戦争の準備段階を重視した陸自10万人規模の「陸上自衛隊演習」(▶参考「陸自全部参加大演習の中止を!」…当ブログ)に続いて、より実戦に近い演習…島々での戦闘を想定した戦争訓練が、その島々において、一般海浜でも民間港でも市街地でも構わずに、行われた。
「令和3年度自衛隊統合演習(実働演習)」(統合幕僚監部 報道発表資料 11月11日▶ページ下)
…実施期間:11月19日〜11月30日。
…実施場所:種子島、津多羅島、自衛隊施設及び在日米軍射爆撃場並びに我が国周辺海空域等(※沖縄の島々については記載なし)
…主要訓練項目:①水陸両用作戦 ②総合ミサイル防空 ③(共同)統合対艦攻撃 ④統合後方補給 ⑤基地警備
⑥空挺作戦 ⑦宇宙状況監視に係る連携 ⑧サイバー攻撃等対処 ⑨統合電子戦 ⑩指揮所活動に係る訓練
…陸海空自衛隊:人員約3万名、車両約1,900両、艦艇約10隻、航空機約140機。
…米軍:第7艦隊、第3海兵機動展開部隊、太平洋空軍、人員約5,800名。…
③の対艦訓練は宮古島で行われた。宮古島の地対艦ミサイル部隊(中隊)に加え、北海道からミサイル連隊が参加した。敵艦隊への射撃シミュレーション訓練も行われたという。有事には、連隊規模のミサイル部隊が宮古島等に集結することが想定されている(その時には、必要とされるミサイル弾薬の量も連隊規模…一個中隊の4倍以上…になる)。このような訓練が、宮古島 保良弾薬庫へのミサイル搬入強行直後に行われたのだ。
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戦争態勢が、次の段階へ進んでいく。しかし、戦争訓練をくり返させないという人びとの声が高まれば、事態は好転するだろう。宮古島へ搬入されたミサイルは、車載式なので、いつでも簡単に撤去することができる。ミサイルの撤去を! 3棟目の弾薬庫を造らせない! そして弾薬庫と、基地の撤去を!
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▲2017年11月3日、奄美市名瀬佐大熊の港湾に展開する自衛隊と抗議行動。
▲2017年11月4日、瀬戸内町古仁屋港(奄美大島)に展開する自衛隊。
2017年11月、奄美大島を訪れた。当時、「奄美駐屯地」と「瀬戸内分屯地」は造成工事中で、「大熊地区」「節子地区」と呼ばれていた。奄美市の「大熊地区」では、その広さに圧倒された。瀬戸内町の「節子地区」では、周囲の山並みの美しさや森の深さと、その山中で大規模に森林が伐採されている様子に衝撃を受けた。どちらの基地建設現場も、人目につかないような場所にあった。
奄美大島ほか九州地方で、陸上自衛隊西部方面隊等による大規模実働演習…「鎮西演習」が行われている最中だった。島中を自衛隊車両が行き来していた。
普段は軍事利用されることのない民間港である名瀬港(奄美市)の佐大熊(「大熊地区」に近い)に、数台の自衛隊の幌付トラックが止められ、自衛隊員が設営されたテントを片付けていた。数日前には、検問所が設けられ、小銃を持った隊員が立っていたそうだ。
古仁屋港(瀬戸内町・「節子地区」に近い)には、4〜50台の軍用車両が展開し、たくさんのテントが設営されていた。水際地雷敷設装置車など、様々な種類の車両が並んでいた。
奄美大島と加計呂麻島の間の大島海峡は、入り組んだ地形による「天然の良港」に恵まれた、琉球弧には他に例のない穏やかな海で、かつて大規模に軍事利用された。大島海峡に面した、かつて奄美で最も栄えた土地でもあった古仁屋には、旧日本陸軍の「要塞司令部」が置かれた。対岸の加計呂麻島には、作家 島尾敏雄が隊長を務めたことでも知られる、特攻艇「震洋隊」の基地があった。古仁屋港の近くの手安には、旧日本陸軍の弾薬庫があった。「戦時中は南西諸島及び南方防衛の海陸空軍弾薬貯蔵補給基地として厳戒体制がとられていたため地元民は、この壕の存在すら知らなかった」「当時の弾薬庫としては、規模、構造とも日本で最も優れた施設であった」というこのトンネル状の弾薬庫跡地の近くの山中で、現在も「南西諸島防衛作戦」の「貯蔵補給拠点」として、5本の地中式大規模弾薬庫の建設工事が続いている。
大島海峡の北側の出入口に当たる西古見には、海岸の高台に旧日本陸軍の「掩蓋式観測所」跡がある。「射撃目標の方向と距離を測定し、山陰に設置された砲台に連絡する役割」…現在ならば地対艦ミサイル部隊のレーダー施設に相当するだろうか…を担っていたという。眼下には「三連立神」が並び、その向こうには美しいビーチのある無人島「江仁屋離」(右写真)を見渡すことができる。その周辺海域を自衛隊は「統合演習等の実施範囲」と呼んでいる。江仁屋離では「鎮西演習」等で、島嶼戦争を想定した着上陸訓練が行われている。
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※「瀬戸内分屯地」開設前(2017年)に作成の図。
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種子島には2015年に準天頂衛星追跡管理局が造られたが、軍事基地や訓練場はない。しかし2014年頃から、前之浜海浜公園での離島奪回訓練など、一般海浜を中心に島嶼戦争を想定した訓練が行われるようになった。訓練は常態化し、年々大規模にエスカレートし、ウミガメが産卵する海岸も荒らされた。
2017年11月…前之浜海浜公園で西部方面普通科連隊(水陸機動団の前身)が着上陸訓練。
2018年5月…旧種子島空港、中山海岸、長浜海岸、前之浜海浜公園で、水陸機動団が発足後初の大規模訓練。
2019年10月…種子島で日米海兵隊(水陸機動団+米海兵隊)による初の国内民有地での共同訓練。など…。
琉球弧のうち、沖縄島の北側に位置する島々、大隅諸島・トカラ列島・奄美群島は、まとめて「薩南諸島」と呼ばれている。自衛隊は「薩南諸島」を、宮古・八重山方面での有事の際の重要な兵站拠点(物資の輸送の中継や集積拠点)・増援部隊等の機動展開拠点と位置づけている。「薩南諸島」では奄美や馬毛島・種子島の軍事基地化に先んじて、沖縄〜九州(等)の部隊が集結して島嶼戦争の訓練を行う場所として、一般海浜や民有地や無人島が頻繁に使われるようになった。
このような人びとの生活圏や豊かな自然を蹂躙する訓練が、軍事化の進む与那国島・石垣島・宮古島やその周辺の島々へと広がっていくのではないかと懸念されていた。2021年11月の「自衛隊統合演習」は、こうした、訓練場ではない場所・民間地・市街地での訓練の広がりを示すものでもあった。
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宮古島住民の枕元にミサイルを置いた後、陸上幕僚監部は「宮古島島民の安心安全を守るためにも島内に弾薬を保管することは必要不可欠」とコメントした(※冒頭引用)。「島民の安全を守る」という噓ばかりか、「安心」とまで言ってしまえる図々しさ!
仮に防衛省・自衛隊が「安全」だとする根拠を持っていたとしても、それを知ることなしに、住民は安心することはできない。「機密」だというのならば、それは軍事基地運用と住民生活との両立が不可能だということを証明しているだけだ。人びとが暮らす場所にミサイル基地を造ったことがそもそも間違いだったので基地を撤去します、と言うべきだ。
11月24日、宮古島駐屯地のゲート前、統合演習の一環なのか、誰でも近づける場所に、カミソリの刃のようなものがついた有刺鉄線が張り巡らされた。(自衛隊ではあまり見かけない、米軍仕様のシロモノらしい。特殊な手袋を着けた隊員が扱っていた。)自衛隊が、住民に刃物を向けた。「安心安全を守る」とは何のことか。
11月25日、種子島では「水陸両用作戦」が報道陣に公開された。今回も一般海浜で大規模な訓練が行われた、その後、水陸機動団団長は「(種子島ほど)実際的で大規模な訓練ができる環境はあまりない」「引き続きこの素晴らしい環境で訓練していきたい」と述べた(※冒頭引用)。やりたい放題の後に、言いたい放題だ。種子島は訓練場ではない。「実際的で大規模な訓練」をやっていい環境ではない。何が「素晴らしい環境で訓練」だ!。こんな放言が許されてしまう環境に、この国はなってしまったのだ。
しかし、こんな環境は、変えられる。宮古島の「有刃鉄線」は、人びとの抗議により後日撤去された。
11月26日、沖縄島本部半島の八重岳山頂で予定されていた「統合電子戦訓練」は、約20人の人びとの抗議により、中止になった。沖縄戦の激戦地となった地で、平和を願って植えられた寒緋桜の並木。その枝を痛めつけながら山頂に向かおうとする自衛隊車両に、人びとは抗議した。「戦没者の魂が桜の木に移り、自衛隊の演習を阻んだとしか思えない」と、市民のひとりは語ったという(琉球新報11,27)。
※
自衛隊統合演習のさなか、11月26日、政府は2021年度補正予算を閣議決定した。「防衛費」は過去最大の7738億円で、当初予算の歳出額と合わせて初めて6兆円を突破。「極めて異例」なことに、主要装備品の新規購入費が〝補正予算〟に本格的に計上された。
…こうした対応が可能になったのは、岸田文雄首相が10月8日の閣議で経済対策の策定を指示した際、柱の一つに「国民の安全・安心の確保」を挙げ、安全保障も含むという考えを示したからだ。防衛省幹部は「経済発展のためには国家の平和や安全が不可欠だ」と、補正予算の正当性を強調。
▶「防衛費が初の6兆円超…異例の補正予算、新規装備を購入 7年で1兆円増」東京新聞11.27
ここでも、「国民の安心・安全」が持ち出された。
11月27日には、「令和3年度自衛隊記念日観閲式」が行われた。岸田総理は訓示で、
…我が国を取り巻く安全保障環境は、これまでにないスピードで、
大きな動きを見せています。ひと昔前にはSF小説の世界だったものが、今、正に現実になっている。
…私は、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の改定を指示いたしました。この中で、いわゆる敵基地攻撃能力の保有も含めて、あらゆる選択肢を排除せず検討し、必要な防衛力を強化してまいります。
▶令和3年度自衛隊記念日観閲式 岸田内閣総理大臣訓示(首相官邸HP)
などと述べた。
11月29日の官邸前
※ ※ ※
私たちは、人間の生命を軽視し、住民に安心を与えるための一切を放棄して宮古島にミサイルを搬入した政府・防衛省・自衛隊に抗議する。
一般海岸や民間港や市街地を訓練場とみなし、島々を蹂躙し、隣国を挑発する軍事演習に抗議する。
「島嶼防衛」と称し、自然・生活環境・文化を破壊しながら琉球弧の平和な島々を最前線基地に仕立て上げ、そこで戦争を構え、隣国を挑発し、島々を危険に晒すことを許さない。
「激変する我が国周辺の安全保障環境」などと脅威を煽り、自ら率先して「安全保障環境」を悪化させる琉球弧の軍事化と日本の大軍拡を許さない。
「自由で開かれたインド太平洋」などとスローガンを掲げ、アジア~太平洋地域に「新冷戦」と呼ばれる軍事的対立構図を固定し、琉球弧などの大国の〝はざまの島々〟での限定戦争を想定・許容・推進する態勢をつくることを許さない。
それぞれの地域で地に足を着けて生きる人びとにとっての「平和」というものを顧みず、専ら自らの属する勢力の覇権や利権の維持・強化・安定を求め、
そのための軍備を「平和」のためだと人びとに押しつける「暴力」を、私たちは許さない。
平和な島々を壊して戦争をつくるな!
琉球弧の島々と東アジアの、未来の平和を壊すな!
統合演習関連ニュース
<社説>自衛隊大規模演習 民間施設の使用中止を
…自衛隊は19日から始まる自衛隊統合演習の一環で、沖縄本島や先島の民間港、民間地などを使用した訓練を実施する。同演習で県内の民間港を使用するのは初めてだ。
…離島県の沖縄にとって港湾や空港は住民の移動や物資の流通を支えるライフラインだ。軍事訓練を目的にした民間施設の使用は住民感情への配慮を欠く だけでなく、生活や経済を圧迫する。南西諸島での演習拡大が周辺国を刺激し、沖縄の民間施設が攻撃対象となる事態は何より避けなければいけない。民間地の 訓練使用は中止すべきだ。
…自衛隊は今回の演習で石垣港に艦船を寄港させ、与那国島の祖納港との間で人員や物資の輸送訓練を実施する。本部町の八重岳山頂付近では、電磁波を利用する「電子戦」を想定した訓練や通信訓練を展開するという。…
…八重岳での訓練は、戦前の日本軍駐屯を想起させる。八重岳を中心に日本軍が軍事要塞化した結果、沖縄戦で本部半島は米軍の艦砲射撃の標的となった。 …現在進められる自衛隊の「南西シフト」は、南西諸島の新たな要塞化である。…
石垣港に機関砲装備艇 自衛隊演習 県内、対艦攻撃訓練も
▶11月20日 琉球新報(紙面より)
…自衛隊統合演習(実働演習)が19日から始まり、同演習としては、県内で初めて民間港を使った訓練が石垣港で実施された。石垣港に寄港した輸送艇は長さ52メートル、幅8.7メートル。乗員は28人で、20ミリ機関砲を装備している。祖納港(与那国町)には20日早朝入り、朝のうちに出港する見通し。21日には中城湾港に自衛隊が借り上げた民間船舶が入り、車両約80台や人員を搬入する予定だ。
…石垣港周辺には民間港の訓練利用に反対する市民ら約50人が集まり、訓練中止を求め抗議行動をした。市民らは「離島の生活航路の安全を脅かすな」「石垣港は市民のものだ」などと訴えた。県庁前広場でも沖縄平和センター主催の抗議集会が開かれた。
【深掘り】防衛省、民間港使用を常態化させる思惑 沖縄県は法規定で許可
演習 県内全域を使用 自衛隊に米軍も参加
▶11月20日 沖縄タイムス(紙面より)
離島の特殊性強く意識
…自衛隊が行う今回の統合演習は、軍拡を進める中国への対処や離島県という特殊性への対応など、沖縄での実戦展開を強く意識した内容なのが特徴だ。
■対艦攻撃
…宮古島駐屯地で陸自の地対艦ミサイル(SSM)部隊が行う対艦攻撃は、シミュレーションによる敵艦艇への射撃訓練で実弾は使用しない。訓練には同駐屯地の第302地対艦ミサイル中隊のほか、北海道の第3地対艦ミサイル連隊の一部が展開する予定。
■後方補給
…後方補給(輸送)訓練は、県外から人員や物資を船や航空機で運ぶものだ。石垣島から祖納港(与那国島)へ隊員や車両を海自艦艇で輸送するほか、中城湾港では防衛省が借り上げた民間船で物資などを運び、積み降ろしする予定だ。
…那覇基地と福岡県の築城・春日基地の間では、空自のC2輸送機を使って戦車などの装備品を輸送する。
…沖縄は本土から海を隔てて距離がある。兵たんに支障が生じやすく、有事に部隊や物資を展開させる場合は困難が増す。訓練にはこうした面の対応能力を強化する狙いがある。
■電子戦
…沖縄本島や久米島、宮古島、与那国島の自衛隊施設では電子戦を訓練する。陸自の電子戦部隊や通信部隊などが展開し、通信・電波状況を確認する。
…一部地域には車載型ネットワーク電子戦システム(NEWS)やレーダー装置を一時的に配置し、電波の収集・分析や敵の通信を妨害する訓練などを行う。
…NEWSは強力な電波を出し、敵の通信機器やレーダーを妨害する機能を持つ。離島侵攻を想定した場合、敵の上陸部隊や艦艇は相互に連絡を取り合い作戦遂行する必要があり、敵側の通信を妨害する電子戦部隊は進攻側を混乱させる役割を担うとされる。
自衛隊統合演習 鹿屋・種子島でも始まる
…今月、各地で行われている自衛隊の統合演習で、鹿児島県内では21日から、鹿屋と種子島を拠点に離島防衛を想定した訓練が始まりました。…
米海兵隊KC130も参加 海自鹿屋基地で総合ミサイル防空・統合対艦攻撃訓練
…19日から始まった自衛隊統合演習の一環で、米海兵隊のKC130空中給油機2機が24日、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地に飛来し、総合ミサイル防空・統合対艦攻撃訓練に参加した。…
「軍事強化許すな」 自衛隊統合演習に抗議 鹿屋で集会
青森・三沢基地でPAC3展開 ミサイル警戒の自衛隊演習
…防衛省は23日、青森県の航空自衛隊三沢基地で、弾道ミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の機動展開訓練を報道関係者に公開した。陸海空の3自衛隊と在日米軍が19日から30日まで実施中の自衛隊統合演習の一環。3自衛隊の装備を集約して運用する「総合ミサイル防空」の訓練として、PAC3を投入した。
…この日は、展開したPAC3のレーダー装置や発射機を動かす訓練を実施。ミサイル警戒に活用する同基地のF35Aステルス戦闘機や、E2C早期警戒機も公開した。 …
【動画】装甲車など80台が次々に…沖縄で自衛隊統合演習
…自衛隊統合演習(実動演習)の一環で21日午前、沖縄市の中城湾港新港地区に民間チャーター船「はくおう」が入港し、県外部隊の陸上自衛隊車両約80台を陸揚げした。装甲車やトラックはその後、公道を走行して港を後にした。
退避後も通報せず、陸自訓練の民間船沈没
…宮古島海上保安部は22日、高野漁港南の海岸でレジャー用の小型船が沈没したと発表した。船名は「あやなみ」
で、同日陸上自衛隊宮古島駐屯地の自衛官が訓練のためにチャーターしていた。船長から118番通報はなく、海保の航空機がパトロール中に偶然発見したという。乗員にけがは無いが、宮古島海上保安部は航行中に船のトラブルがあった場合は速やかに118番通報するよう呼び掛けている。
…海上で船の位置を測定する訓練のため、民間の船を借り上げて使用した。宮古島駐屯地によると、こうした訓練は日常的に行われているという。…
陸自の小型無人偵察機が行方不明に 種子島沖で訓練中
…防衛省は24日、種子島沖を23日夜に飛行していた陸上自衛隊の小型無人偵察機「スキャンイーグル」1機の通信が途切れ、訓練中に行方不明になったと発表した。被害は確認されていない。
…統合幕僚監部によると、無人機は陸自情報教導隊(静岡県)所属。全長約1.4メートル、翼長約3.1メートル、重さ約13キロ。高高度から撮影できる。
…23日午後8時35分ごろ、中種子町野間の旧種子島空港の南東約25キロ付近で、通信が途絶えた。19日から全国で始まった自衛隊統合演習の一環で対艦攻撃の情報収集訓練中だった。海上と陸上を捜索している。
離島奪還作戦を報道公開 自衛隊種子島で統合演習
…防衛省は25日、陸・海・空の自衛隊による実動の統合演習を鹿児島・種子島で行い、占領された離島の奪還を想定した水陸両用作戦を報道公開した。日本版「海兵隊」とされる陸上自衛隊水陸機動団(水機団)の隊員が特殊な水陸両用車両で海岸へ上陸する様子が公開された。
…水機団員約100人は、水陸両用車「AAV7」9両に分かれて乗り込み、10キロ沖の輸送艦から砂浜へ次々と上陸。部隊が海岸に味方領域を確保すると、続い てエアクッション艇「LCAC(エルキャック)」2隻が水しぶきと砂を巻き上げて砂浜へ乗り上げ、大型車両を下ろしていった。
…上陸前には海自の掃海隊が機雷警戒を行うなど陸自と海自の連携も確認した。上陸前日までに陸・海・空の艦艇や航空機による打撃演習も行った。
本部町八重岳での自衛隊演習 市民の抗議活動などで中止
…自衛隊の大規模な演習の一環で、沖縄県本部町の八重岳では26日から通信訓練が行われる予定でしたが、市民の抗議活動などで中止となりました。…
…訓練に反対する市民およそ20人が山頂に向かう道路で抗議のため自衛隊の車両の前に立ちふさがり、警察が対応にあたりました。
…さらに桜の名所として知られる八重岳の道路は道路脇から桜の枝が伸びているため自衛隊の車両がスムーズに通行できず、訓練は中止となりました。
…本部町によりますと、部隊は数日にわたって八重岳で訓練を行う予定でしたが、26日夕方になって自衛隊から27日以降の訓練も中止すると連絡があったということです。
11月は月例の「官邸前抗議!」のほかに、
10日【宮古島にミサイル搬入させてたまるか!官邸前抗議】(呼びかけ:島じまスタンディング、参加20人)、
14日【宮古島にミサイルを搬入するな! 11.14官邸前緊急アクション】(呼びかけ:琉球孤自衛隊配備反対アクション、共催:大軍拡と基地強化にNO!アクション2021、島じまスタンディング、参加約40人)を行いました。
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10日の参加者のスピーチから、一部紹介。 (私の聞き取り、記憶によります。不正確な点もあります。ご了承ください)
「沖縄の人は政府に直接抗議するには、飛行機に乗らなければならない。東京の人は、電車に乗ればすぐ行ける、だからここに来ています。」
「宮古島の食糧自給率は低い。カロリーベースで30%、サトウキビを除くと一桁になる。台風が来ると食糧は入ってこない。軍事的緊張が高まれば、食糧が届かなくなる。」
「宮古の仲間はみな、寝ても覚めてもこの問題で苦しんでいる。」
「沖縄が捨て石にされた末に獲得した憲法9条、しかし沖縄に届かなかった9条、日本政府はその憲法9条を壊して、また沖縄戦をくり返そうとしている。」
「基地が造られれば、様々な基地被害の被害者になる。しかしそれだけではない。そこは攻撃拠点になる。戦争の加害者にもなる。ベトナム戦争の沖縄がそうだった。」
「島々へのミサイル配備は、島を守るためでも日本を守るためでもない。琉球弧を最前線にするのは、全面戦争はお互いするつもりはない、自分のいる所から遠く離れた場所での限定戦争で留めたいという大国・帝国のエゴでしかない。沖縄を戦場にした76年前と同じ構図だ。」
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14日の官邸前集会は
▶【報告】宮古島にミサイルを搬入するな! 11.14官邸前緊急アクション(杉原こうじさんのブログ)
を、ぜひご覧ください。
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