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日米安全保障協議委員会「2+2」共同発表事項について

2022年 1月7日

日米安全保障議委員会「2プラス2」共同発表事項について

馬毛島「決定」ってどういうことだ!

日米共同戦争計画に琉球弧の島じまを使うな!

 

 

 

1月7日に行われた「2+2」の共同発表『仮訳』(正文は英文)を、全文見ていきます。(※太字等は引用者)

▶外務省ホームページ

 


(仮訳)
 日米安全保障協議委員会(「2+2」)共同発表

2022年1月7日(日本時間。米国東部時間6日。)、東京とワシントンDCそれぞれにおいて、林外務大臣、岸防衛大臣、ブリンケン国務長官及びオースティン国防長官は、バーチャル形式で日米安全保障協議委員会を開催した。

 閣僚は、自由で開かれたインド太平洋地域へのコミットメントを強く再確認し、また、地域の平和、安全及び繁栄の礎としての日米同盟の不可欠な役割を認識した。閣僚は、変化する安全保障上の課題に、パートナーと共に、国力のあらゆる手段、領域、あらゆる状況の事態を横断して、未だかつてなく統合された形で対応するため、戦略を完全に整合させ、共に目標を優先づけることによって、同盟を絶えず現代化し、共同の能力を強化する決意を表明した。閣僚は、地政学的な緊張、新型コロナウイルスのパンデミック、恣意的で威圧的な経済政策、そして気候危機により提起された喫緊の諸課題を認識し、ルールに基づく国際秩序や基本的な価値及び原則へのコミットメントを新たにした。閣僚は、地域の戦略バランスを悪化させる急速かつ不透明な軍事力の増強に直面する中で、核兵器、弾道・巡航ミサイル及び極超音速兵器を含む先進兵器システムの大規模な開発や配備について、懸念を共有した。閣僚はまた、サイバー、宇宙及びその他の領域において増加する悪意ある行動、並びに武力紛争に至らない、威圧的又は利己的な手段を通じた現状変更の試みの潮流について議論した。

 

 …太字部分、誰が「地域の戦略バランスを悪化させる急速かつ不透明な軍事力の増強」「最新兵器システムの大規模な開発や配備」「悪意ある行動」「武力紛争に至らない、威圧的又は利己的な手段」などを行っているのか、明示されていません。自分たち…日米の行動について、懸念を共有し、反省したのでしょうか?

 違います。後で中国を具体的に非難する内容が出てくるので、中国のことを言っているのだと分かります。自分たちのすることは「自由で開かれたインド太平洋」のための「不可欠な役割」で、中国がやることは「悪意」「利己的」「現状変更の試み」です。

 

 


 日本は、国家の防衛を強固なものとし、地域の平和と安定に貢献するため、防衛力を抜本的に強化する決意を改めて表明した。米国は、日本の決意を歓迎するとともに、最近完了した「世界的な戦力態勢の見直し(GPR)」において表明したように、インド太平洋における態勢及び能力を最適化する決意を表明した。米国は、核を含むあらゆる種類の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを改めて表明した。日米は、米国の拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けることを確保することの決定的な重要性を確認した。

 

…東アジアの軍事緊張を強固なものとする、日米の決意表明です。

 

「世界的な戦力態勢の見直し(GPR)」…2021年11月29日、米国防総省が概要を発表。

 「インド太平洋」を優先地域とし、別の地域で戦力を減らし、対中国に焦点を絞る方針。

米軍、豪・グアム態勢強化 海外展開見直し 中国へ対抗鮮明(朝日新聞 2021.12.1)

米軍、24年までにアジアシフト 対中国へ軍事拠点拡大(日本経済新聞 2021.11.30)

 

 


  閣僚は、ルールに基づく秩序を損なう中国による現在進行中の取組は、地域及び世界に対する政治的、経済的、軍事的及び技術的な課題を提起するものであるとの懸念を表明した。閣僚は、地域における安定を損なう行動を抑止し、必要であれば対処するために協力することを決意した。閣僚は、自由かつ適法な通商への支持、航行及び上空飛行の自由並びにその他の適法な海洋の利用を含む国際法の尊重を再確認した。閣僚は、地域の平和と安定を損なう威圧的な行動に関するデータを収集・分析するための取組を通じたものを含め、情報共有の取組を強化する意図を共有した。閣僚は、地域の平和と安定を更に損なう東シナ海における中国の活動に懸念を表明した。米国は、尖閣諸島の現状変更を試みる、あるいは、その日本の施政を損なおうとする、いかなる一方的な行動にも反対することに関し日本と固く結束していることを改めて表明し、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを再確認した。また、閣僚は、南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張、軍事化及び威圧的な活動への強い反対を改めて表明し、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)の下で設置されたフィリピンと中国との間の仲裁裁判所の2016年7月の判断が最終的であり、当事国を法的に拘束することを強調して想起した。閣僚は、新疆ウイグル自治区及び香港の人権問題について深刻、かつ、継続する懸念を表明した。閣僚は、自由、民主主義、人権、法の支配、国際法、多国間主義及び自由で公正な経済秩序の尊重へのコミットメントを共有する全ての主体と協力することにコミットした。閣僚は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促した。

 

…中国を非難し、その対策等が表明されます。

「行動を抑止し、必要であれば対処するために協力する」…戦争も辞さない、ということ。「台湾海峡の平和と安定」のためにも。

 

 


 閣僚は、朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントを再確認し、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での義務に従うことを求め、北朝鮮の核及びミサイル開発活動の進展への強い懸念を表明し、拉致問題の即時解決の必要性を確認した。閣僚は、インド太平洋地域及び世界で、共有された安全、平和及び繁栄にとって不可欠な、日本、米国及び韓国それぞれの二国間協力及び三か国間協力の深化にコミットした。


 閣僚は、自由で開かれたルールに基づく秩序を推進するという、日米豪印(クアッド)のメンバーである豪州及びインドとの2021年9月のコミットメントを新たにした。閣僚は、画期的な日豪円滑化協定(RAA)の署名、昨年11月の日本による初めての豪州の艦船に対する武器等防護任務及びAUKUSパートナーシップによって示された、日米それぞれの豪州との安全保障・防衛協力を支持した。閣僚は、英国、フランス、ドイツ及びオランダそしてEU及びNATOを通じたものも含めた、欧州のパートナーや同盟国による、インド太平洋における更なる関与を歓迎し、多国間演習や展開の拡大に支持を表明した。

 

…2021年、あまりにも挑発的に・大規模に・頻繁に行われた「日米豪印新加英仏蘭独…」などとの「自由で開かれたインド太平洋」を標榜する共同軍事演習や、様々な軍事協力態勢が「NATOを通じたものも含め」今後更に拡大していくのでしょうか。

 

■「日米豪印(クアッド)」の「2021年9月のコミットメント」

…9月24日、日米豪印の4カ国は「クアッド」の枠組みとして初の首脳会談を行い、共同声明を採択。「自由で開かれたインド太平洋」へ向け協力態勢へ。

対中連携、宇宙や新技術でも 「法治」「民主的価値」前面―日米豪印首脳会議、毎年開催へ(時事通信 2021.9.25)

非軍事強調もにじむ対中 日米豪印首脳会議(時事通信 2021.8.25)

 

■「画期的な日豪円滑化協定(RAA)の署名」

…「2+2」直前の1月6日に署名された。「日米地位協定」に相当するような協定。

「なしくずし的に進む、日豪軍事同盟」(小西誠さん facebook)

日豪円滑化協定の署名(外務省ホームページ 2022.1.6)▶日豪が「円滑化協定」に署名 共同訓練を推進へ(日本経済新聞 2022.1.6)

■「昨年11月の日本による初めての豪州の艦船に対する武器等防護任務」

…2021年11月10〜12日、自衛隊は「戦争法」に基づく「武器等警護」を、オーストリア軍に対して実施。米軍以外には初めて。四国南方海域での日豪共同訓練で、海自護衛艦「いなづま」が、豪海軍フリゲート艦「ワラマンガ」を防護した。     ▶自衛隊が豪軍艦艇を防護 米軍以外で初(日本経済新聞 2021.11.12)

 

■「AUKUS(オーカス)パートナーシップ」

…2021年9月15日に発表された、英米豪 3カ国による新たな軍事協力の枠組み。

 

 


 閣僚は、ASEAN一体性・中心性及び「インド太平洋に関するASEANアウトルック」への強固な支持を再確認した。閣僚は、東南アジア及び太平洋島嶼国のパートナーとの安全保障協力や能力構築の取組を強化する必要性に留意した。閣僚は、ミャンマーの人々に対する暴力を非難し、全ての暴力の即時停止及び包摂的な民主主義への道への早期回帰に向けた努力を継続していくことを決意した。

 

■「インド太平洋に関するASEANアウトルック」

…日米が掲げる「自由で開かれたインド太平洋構想(FOIP)」に対し、2019年6月に示されたASEANのインド太平洋構想(ASEAN Outlook on the Indo-Pacific:AOIP)。中国を排除しない。ASEANの一体性及び中心性、包摂性、透明性といった主要な原則を包含し、ASEAN 共同体の構築プロセスを補完する。

…2020年11月、第23回日・ASEAN 首脳会議で「インド太平洋に関するASEAN・アウトルック協力について」の日ASEAN共同首脳声明が採択された。▶外務省ホームページ

 

■「太平洋島嶼国のパートナーとの安全保障協力や能力構築の取組」

…例えば米国の「太平洋抑止イニシアティヴ(PDI)」に関するインド太平洋軍の取組み(2021年1月)として、「…分散配備ということでは、航空機・艦船を分散させるための飛行場・港湾、航空優勢・海上優勢を生み出すための長距離兵器を運用する地上軍部隊が展開可能な場所、兵站・補給拠点・物資事前集積地などをミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国、その他大洋州諸国や東南アジア諸国などで確保する取り組みを進める。」

海上自衛隊は、2021年9月1日、パラオ共和国と初の親善訓練。続いて16日、バヌアツ共和国と初の親善訓練。17日にニューカレドニアで日仏共同訓練を行った。

…2021年9月2日、「日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)」(議長:岸防衛大臣)が行われ、共同声明を採択。「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向け、「国防当局間における協力を推進していくとの日本の意図」が、歓迎された。  ▶日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)について(防衛省)

 

…沖縄の他にも、かつて日本とアメリカ・連合国の戦争のために戦場として使われた地域が、今度は日米+旧宗主国共同の戦争態勢に取り込まれようとしています。

 

 


 困難を増す地域の安全保障環境に対応するにあたり、日米は、今後作成されるそれぞれの安全保障戦略に関する主要な文書を通じて、同盟としてのビジョンや優先事項の整合性を確保することを決意した。日本は、戦略見直しのプロセスを通じて、ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する決意を表明した。日米は、このプロセスを通じて緊密に連携する必要性を強調し、同盟の役割・任務・能力の進化及び緊急事態に関する共同計画作業についての確固とした進展を歓迎した。

 

…驚くべきことに、日米は「安全保障戦略に関する主要な文書」の体系を統一しようとしている!

岸田政権は、「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」を改定する方針を示していますが、これらに示されるビジョンや優先事項、記載事項、体系を日米で統一しようとは…

 

これについては12月、自民党内で案が浮上しているとの報道がありました。それがいきなり2+2で合意されようとは、あまりにも滅茶苦茶では!

▶安保文書、米と体系統一案 自民で浮上、一体化懸念も(共同通信 2021.12.18)岸田文雄首相が掲げる外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書の改定を巡り、自民党内で米政府の同種文書と記載項目などの体系を統 一する案が浮上していることが分かった。複数の関係者が18日、明らかにした。日米の連携強化が目的だが、自衛隊と米軍が過度に一体化し、主体的な判断がしにくくなるとの懸念もはらむ。自民党は20日、3文書改定に向けた議論を始め、5月に政府への提言を目指す。米文書との連動の可能性についても取り上げる予定だ。

 

…日本の「あらゆる選択肢を検討する決意」とは、「敵基地攻撃能力の保有」「長射程ミサイルの開発・配備」を念頭に置いてのことと見て間違いないでしょう。

 

「日米は、このプロセスを通じて緊密に連携する必要性を強調し、同盟の役割・任務・能力の進化及び緊急事態に関する共同計画作業についての確固とした進展を歓迎」については、▶軍事ジャーナリスト・小西誠さんの「note」から引用します。

 

*2+2では、「日米は、このプロセスを通じて緊密に連携する必要性を強調し、同盟の役割・任務・能力の進化及び緊急事態に関する共同計画作業についての確固とした進展を歓迎」として、日米制服組が進めてきた、「島嶼防衛・日米共同作戦計画」を追認した。つまり、2000年代半ばから強行されてきた、日米指揮所演習「ヤマサクラ」、2013年から強行されてきた日米実動演習「ドンブリッツ」等を追認し、「日米政府の決定」に格上げしたのである。

 

*こうした「日米共同作戦計画」の両政府による承認・決定は、従来の制服組の演習や南西シフト態勢を加速するだけでなく、実際の「防衛計画」に反映される。年内に策定されようとしている「防衛大綱の大綱」などの改定がそれである。


*そして、この新「防衛大綱の大綱」改定を含めて、新たな安全保障計画に基づく軍事予算として計上され、新基地建設・増強態勢作りとして進むのだ。

 

 


 閣僚は、とりわけ陸、海、空、ミサイル防衛、宇宙、サイバー、電磁波領域及びその他の領域を統合した領域横断的な能力の強化が死活的に重要であることを強調した。即応性、抗たん性及び相互運用性を向上させる必要性を強調し、閣僚は、アセット防護任務、共同の情報収集、警戒監視及び偵察(ISR)活動、実践的な訓練・演習、そして、柔軟に選択される抑止措置(FDO)、戦略的メッセージを含む協力の深化を歓迎した。閣僚はまた、日本の南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取組を含め、日米の施設の共同使用を増加させることにコミットした。

 

…2021年12月23日、「自衛隊と米軍が、台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を策定したことが分かった。有事の初動段階で、米海兵隊が鹿児島県から沖縄県の南西諸島に臨時の攻撃用軍事拠点を置くとしており、住民が戦闘に巻き込まれる可能性が高い。」年明けの「日米安全保障協議委員会(2プラス2)で正式な計画策定に向けた作業開始に合意する見通し。」と報道されました。

▶台湾有事、南西諸島を米軍拠点に 共同作戦計画の原案策定(共同通信 2021.12.23)

今回の「共同発表」では「南西諸島に臨時の攻撃用軍事拠点を置く日米共同作戦」などとは明示されていません。しかし、

…一つ上の「緊急事態に関する共同計画作業についての確固とした進展」とは、「台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を策定」したことを指すと思われます。

…その上で「日本の南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取組を含め、日米の施設の共同使用を増加させることにコミットした。」とあります。つまり、…ここでも小西誠さんの「note」から引用します。

 

…これは米軍の「遠征前方基地作戦」(EABO)による、宮古島・石垣島などの琉球列島の基地化ー共同基地化である。これらへの米海兵隊・陸軍の、地対艦ミサイルなどの配備を謳っているのである。

 


 閣僚は、同盟の即応性と抗たん性を高めるために日本の米軍への支援を拡大し、再編成することとなる、新たな在日米軍駐留経費負担(「同盟強靱化予算」)に係る実質合意及び特別協定への署名を歓迎した。閣僚は、予算要求のための全ての必要な手続の完了を前提として、優先付けされた事業への資金となる日本の提供施設整備(FIP)の総額が1641億円となることを再確認し、二国間の訓練及び協力の増加を可能にする、訓練の能力に係る新たなカテゴリーの創設を賞賛した。

 

■「同盟強靱化予算」…「思いやり予算」のこと。昨年末の報道…「在日米軍駐留経費の日本側負担について、政府は「同盟強靱(きょうじん)化予算」との呼称を普及させようと躍起になっている。」「林芳正外相は21日の記者会見で「思いやり予算」という呼び方は「俗称」だと主張。「通称を『同盟強靭化予算』とするので、国民に周知したい」と表明した。」

▶定着なるか「同盟強靱化」 思いやり予算改称に躍起―政府(時事通信 2021.12.25)

 

■「二国間の訓練及び協力の増加を可能にする、訓練の能力に係る新たなカテゴリーの創設」

…昨年12月21日の報道…「(思いやり予算について)米軍の運用と関係の薄い費用を減らした一方、軍事的に台頭する中国などを念頭に、抑止力、対処力強化に向けた訓練資機材調達費を新設するなど負担内容も見直した。」 ▶日米、駐留経費2110億円で合意 訓練費新設、「同盟強靱化」へ(時事通信 2021.12.21)

負担内容も「自由で開かれたインド太平洋」に向けて、戦争態勢として実質的なものに変わってきたということか。

 

 


 閣僚は、先進武器システムに関する秘密軍事情報の保全措置強化に関する2021年5月の交換公文に示されるような、情報保全に係る取組及びインフラの強化及び増強にコミットした。閣僚は、悪意あるサイバー主体に起因するかつて無いほど複雑で破壊的な脅威及びそうした脅威が国家安全保障に及ぼすリスクに対する懸念を共有し、強固なネットワーク防衛及びあらゆる種類のサイバー脅威への共同対処が同盟にとって必須であることを確認した。閣僚は、各国に対し、国際法に従うこと、及び、国家は自国の領域を国際的に不法な行為にそれと知りつつ使用させるべきでないことを含む、責任ある行動に関するコンセンサス方式で合意された規範を履行することを求めた。


 閣僚は、安全で、安定的かつ持続可能な宇宙領域及び責任ある行動の規範を確立させることへのコミットメントを新たにした。閣僚は、低軌道衛星コンステレーションについての議論を継続することも含め、宇宙状況把握、機能保証、相互運用性並びに、宇宙への、宇宙からの及び宇宙における深刻な脅威への共同対処に関する協力を深化させていくことで一致した。

 閣僚は、人工知能、機械学習、指向性エネルギー及び量子計算を含む重要な新興分野において、イノベーションを加速し、同盟が技術的優位性を確保するための共同の投資を追求することにコミットした。閣僚は、極超音速技術に対抗するための将来の協力に焦点を当てた共同分析を実施することで一致した。閣僚はまた、共同研究、共同開発、共同生産、及び共同維持並びに試験及び評価に関する協力に係る枠組みに関する交換公文を歓迎した。これに基づき日米は、新興技術に関する協力を前進及び加速化させていく。閣僚は、調達の合理化及び防衛分野におけるサプライチェーンの強化に関する協力を強調した。

 

■「低軌道衛星コンステレーションについての議論」

…「近年、米国などを中心に、多数の小型人工衛星が一体となって様々な機能を担う、いわゆる衛星コンステレーション計画が 進められており、宇宙空間からの情報収集能力の強化や、人工衛星に被害が生じた際の機能維持への寄与が期待されています。また、一部の国において、低空を 高速かつ変則的な軌道で飛翔するHGV(極超音速滑空兵器)の開発が指摘されていることから、令和3(2021)年度では、米国との連携も念頭に置きつつ、衛星コンステレーションによるHGV探知・追尾システムの概念検討や、先進的な赤外線センサーに係る研究を行います。」

▶<解説>ミサイル防衛のための衛星コンステレーション活用の検討について(「令和3年版 防衛白書」コラム)

 

■「共同研究、共同開発、共同生産、及び共同維持並びに試験及び評価に関する協力に係る枠組みに関する交換公文を歓迎」

…「1月7日、日米「2+2」が開催された機会をとらえて、東京において、我が方、林芳正外務大臣と先方レイモンド・グリーン駐日米国臨時代理大使との間で、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づく共同研究、共同開発、共同生産等に係る書簡の交換が行われました。
1.この書簡は、日米間の共同研究、共同開発、共同生産等の案件一般に共通する諸条件を規定する枠組みを設けるものであり、日米間の共同研究、共同開発、共同生産等に関するプロセスを一層合理化するものです。
2.近年、各国がゲーム・チェンジャーとなり得る最先端技術を活用した兵器の開発に注力している中、この書簡による共同研究等に関するプロセスの合理化は、安全保障上の喫緊の課題となっている我が国の防衛能力の効率的な強化及び日米同盟の技術的優位性の確保に資すると期待されます。」▶外務省ホームページ

 

 


 閣僚は、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である、キャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域における普天間飛行場代替施設の建設継続へのコミットメントを強調した。米国は、2011年日米安全保障協議委員会(SCC)文書の記述と一致する馬毛島の施設について、2022日本会計年度日本政府予算案への建設費の計上による日本の決定を歓迎した。閣僚は、新型コロナウイルス感染症対策、事件・事故に関する適時な情報共有、地元の影響軽減及び地元との強固な関係の後押しに係る二国間の連携の重要性を再確認した。閣僚は、沖縄における米軍施設の土地返還及び統合並びに2024年に開始される米海兵隊要員約4,000人の沖縄からグアムへの移転を含む、米軍再編に係る二国間の取組を加速化させる重要性を確認した。

 

「唯一の解決策」=「辺野古」という欺瞞に満ちた言説は、これまで多くの人によって様々な論点から否定され尽くしてきました。未だに、これか、と。人びとの声、思いは届かないのでしょうか。

 

「馬毛島の施設について、2022日本会計年度日本政府予算案への建設費の計上による日本の決定」とは何だ! さらに、岸防衛大臣は「2+2」協議終了後の記者会見で、「整備に必要な経費を計上した令和4年度予算案の閣議決定をもって馬毛島における自衛隊施設の整備を決定しており、候補地ではないものと考えています」 と、「整備は決定」と初めて明言しました。

▶馬毛島 岸防衛相「整備は決定」と明言(MBC 南日本放送 2022.1.7)

2022年度予算案は、昨年末12月24日に「閣議決定」されただけです。それをもって、日米の閣僚による協議だけ「決定」とは、国会の否定・民主主義の否定です。決して許されるものではありません。

 

 


 閣僚は、同盟の共同での決意を改めて表明し、インド太平洋地域の平和と安定を維持するために緊密なパートナーシップの下で取り組んでいくことへのコミットメントを強調した。

 

…以上、日本・アメリカは、同盟国など各国と共同して「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、中国包囲戦争態勢を、「南西諸島」を最前線とし、「インド太平洋地域」の全体を使ってつくっていく。そのための様々な取組みの強化に関する決意が表明されました。

 

 日米共同の戦争計画・作戦策定を推進し、琉球弧の島々を日米共同のミサイル攻撃基地・戦争拠点・戦場の候補地として使っていく。敵基地攻撃能力の保有も含む、あらゆる選択肢を排除しない軍備強化を、島々を圧迫しながら進めていく。そのようなことが、閣僚によって「追認」されたと思います。

 

 それにしても、「日米安全保障協議委員会」とは何でしょう?

 「軍の論理」が日本の閣僚に伝えられ、国会の審議を経ることもなく、一足飛びにこのような日米の閣僚会議で合意され、その後に「日本政府の決定」となる。このような「慣習」を、許し続けて良いのでしょうか?戦争への合意を、「決定」だと認めて良いのでしょうか?

 

 


 

1月14日(金)、12:00〜13:00【緊急 官邸前抗議】します。

ぜひご参加下さい〜!

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