· 

緊迫する馬毛島‐種子島軍事化問題の状況と、種子島の人びとの声

八板市長は「馬毛島基地建設反対」を明確に表明して下さい!

緊迫する馬毛島‐種子島軍事化問題の状況と、種子島の人びとの声

‐‐‐「馬毛島情報局」facebookから

 

 

 

島々を最前線基地に仕立て上げるということ

 

 

 私たちは、琉球弧の島々で自然や人びとの生活環境が壊され、地域の経済や権力の構造が歪められながら、新たに基地が造られ、部隊が配備・増強され、軍事演習が活発に行われるようになったり、民間空港に軍用機が頻繁に飛来するようになったり、様々な宣撫工作が行われたり、軍事利用を見込んだ港湾や道路やトンネル等の整備が行われたりしながら、軍事要塞化が進んでいくのを見てきた。

 しかしながら恐ろしいことに、島々を「最前線基地に仕立てる」とは、このような軍事基地化だけではなかった。この「南西シフト」の進行と並行して、その都度これらの軍事施設に「見合う」ような軍事緊張がつくられていくのを、私たちは見てきた。

 

 与那国島、宮古島、奄美大島に続いて、石垣島で建設工事中のミサイル基地の今年度内開設が目論まれ、沖縄島にも地対艦ミサイル部隊の配備が予定され、新型ミサイル・「敵国」攻撃可能な長射程ミサイルの開発、大量生産、大量配備に向けた動きが本格化しようとしている今、同時に、誰もが「台湾有事が切迫していて与那国~石垣~宮古あたりで戦争が起こりかねない」と思ってしまうような状況がつくられつつある。そこが「最前線」であるということが、常識化していくのだろうか。島々の軍事化の過程を知らない人は、そこに大規模な軍事基地があることを、当然のように思うのかもしれない。防衛大臣らが「島外避難」を口にしても、もう誰も驚いたりしない。

 

 

 

 島々の軍事化の進行と、戦争スケジュールが、リンクしているように思われる。馬毛島基地「本体工事」の年度内---2023年3月まで---の着工が目論まれている。工期は約4年の計画。滑走路等は約2年半で完成させ、完成次第先行して運用する方針だという。目論み通り進めば、2025年頃から運用が始まり、2027年3月末に「馬毛島基地(仮称)」が開設することになる。その頃、東アジアの情勢と、日本(米日)の戦争スケジュールはどのようになっているだろうか。

 馬毛島基地は、戦争に必要な物資の集積・輸送の拠点(兵站)、増援部隊等の機動展開拠点としての機能が見込まれている。それは「継戦能力」・長引く戦争を有利に続けていく能力に関わる。

 

 

 

馬毛島基地計画の、現在の状況を整理すると、

 

◯「候補地」(勝手に)から「決定」(勝手に)へ

今年17日、岸防衛相(当時)日米安全保障協議委員会「2+2」終了後の記者会見で、「整備に必要な経費を計上した令和4年度予算案の閣議決定をもって馬毛島における自衛隊施設の整備を決定しており、候補地ではないものと考えています。」

 

◯「馬毛島基地計画」と種子島

720日、防衛省が「種子島への施設整備について」配置案など説明。

宿舎、管理事務所、練成訓練施設、物流倉庫、車庫、車両整備工場、自衛隊ヘリポート。

 

◯環境アセスのプロセス

今年4月「準備書」公開。62日まで「意見を有する方」の意見書募集。

815日までに、関係5市町(南大隅町、西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町)が県知事に意見書提出。

1017日までに鹿児島県知事が防衛省に意見書提出

→これらを踏まえて「環境影響評価書」作成→環境大臣の意見を踏まえて防衛大臣が意見→「補正」された「環境影響評価書」が公告、一定期間縦覧→アセスの手続き終了~本体工事着手の目論み。

 

◯なし崩し的に始まった「関連工事」、既成事実化の動き

71日 馬毛島で外周道路(約10km)の工事着手、木の伐採など進む。暫定的な道路を年度内完成の計画。

816日 馬毛島葉山港浚渫工事開始、来年3月完了予定→港に大型船が入れるように整備

(水深が3mになるよう海底を掘り下げる。港の中だけではなく沖合300mまで行われる。)

8月~11月、指宿~馬毛島~種子島(西之表市街地北部)を結ぶ海底ケーブル(電力、通信)敷設計画で、通信ケーブル敷設のための調査測量予定。

 

◯進む工事契約

「基地関連の工事契約は2022年度に入って敷地造成や駐機場、燃料施設など計約593億円に積み上がった。」

「これまでの契約の内訳は、敷地造成357億5000万円▽管制塔新設(機械、電気、建築)52億8100万円▽通信局舎建築20億3900万円▽地中式の燃料貯蔵施設整備50億500万円▽燃料施設の機械整備80億9600万円▽駐機場舗装30億2000万円-など」

※「基地全体の予算規模について防衛省は〝詳細検討の中で精査しているため、回答は困難〟としている。」

▶上記は2022.8.23 南日本新聞より

 

◯カギをにぎる八板俊輔市長の動向。9月議会で意見表明か。

2021年1月、「基地建設に同意出来ない」を掲げ、2期目当選。

2022年2月、防衛省に要望書。「施設整備に際し、馬毛島が存する西之表市への最編交付金等の交付や隊員の住居等についても、格段の配慮を要望する。」以来、「同意出来ない」を封印。

3月29日、馬毛島葉山港の浚渫工事を認める。

6月20日、馬毛島小中学校跡地の売却を示唆。

6月末、海底ケーブル敷設工事に賛成の意見書提出。

7月20日、自衛隊の隊員宿舎用地に下西公民館近くの市有地を提示。

(7月25日、「馬毛島情報局」が市長に辞任要求)

 

西之表市と防衛省の「協議の場」:基地建設を前提。今年2月から8回にわたって行われた。

これを踏まえ、722日、市長が防衛省に22項目の「要望書」を提出。810日、防衛省が「回答」。

→市長説明会(「要望書に対する防衛省の回答」について/816日~822日)

市長は、9月議会で自分の考えを述べることをほのめかした。

※9月2日(金)は八板市長の所信表明

 

市長の「容認」の表明が、基地建設のゴーサインとなる恐れ。

 

 

 

馬毛島軍事基地 断固反対!集会

9月4日()午後1時半~4時

 1時半~3時 集会 西之表市民会館大ホール

 3時~4時 市内でデモ行進 

全国のみなさん、可能な方は、ぜひ種子島にいらしてください。当地はすでに基地建設景気が始まっており、宿が取りにくい状態にあります。お困りの場合は、馬毛島情報局まで相談してください。」

▶8月25日、馬毛島情報局facebookより

 

▶メール http://www.city.nishinoomote.lg.jp/cgi-bin/inquiry.php/5?fbclid=IwAR3NFcx1VfDDmpb_gI7R6IFkPHKvfyndSLQCVayXVCiJWtOxCxnuq7hEUf4

 

馬毛島を憂える全国のみなさん、市長に電話してください。メールしてください。手紙を書いてください。みんなの声で市長に〝容認〟表明を躊躇させなければなりません。」

▶8月23日、馬毛島情報局facebookより

 

 


 

 上記の通り、西之表市と防衛省の「協議の場」(基地建設を前提とした条件闘争に見える)が、今年2月から8回にわたって行われました。これを踏まえ、722日、市長が防衛省に22項目の「要望書」を提出し、810日、防衛省が「回答」しました。

この「要望書に対する防衛省の回答」について八板市長出席の説明会が、816日~822日、市内各地の市民会館で行われました。

 

 

 「馬毛島情報局」の記事で紹介された、この説明会での種子島の人びとの発言は、どれも、全国の人びとが聞くべき切実な声だと思いました。これまでの経緯についての重要な情報も含まれています。

以下、馬毛島情報局のfacebookから「市長説明会」報告記事を転載します。長いですが、ぜひ、多くの人に読んで欲しいです。

 

 ▶馬毛島情報局facebook・ホーム

 

▶8月17日の記事

市長説明会

 

 八板市長による、防衛省への要望書と回答についての説明会の第1回が開かれました。市長が直接出席するにしては、参加者がさほど多くはありませんでした。馬毛島情報局と馬毛島連絡会は、会場入り口でチラシを配布してから参加しました。

 質疑は、「この文書に関する質問だけにしてほしい」、また「一人一回一項目のみ」、とのことでした。冒頭、私が「そもそも、こういう基地建設を前提とした要望書を提出すること自体が、基地建設を容認しており、公約違反ではないか」と質問しました。市長は、「昨年暮れから今年にかけての政府の基地建設決定で局面が変わった」「情報を得るために防衛省と協議している」等答えますが、かんじんの質問には答えません。そして、市長の答えに対する私の再質問は認められませんでした。その後は、基地建設の中身への質問に市長が曖昧に答える場面が続きました。ストレスのためる説明会でした。めげずに今日も出席して、挙手に応えてくれれば市長の公約違反を追求し、計画にノーと言うことを要求したいと思います。

 

(※太字・赤字等は引用者)

 

 

▶8月18日の記事

昨日の市長説明会

 

 一昨日に引き続き、昨日817日の市長説明会に出席しました。「自衛隊馬毛島基地(仮称)の設置に伴う市民の不安と期待に関する確認事項」に対する防衛省回答についての説明会、という長い名前の説明会で、下西(しもにし)校区対象のものでした。

 

 質疑の冒頭、また司会から「確認事項以外の質問は避けるよう、一人一つの質問、一回切り」とのことでした。しかし、総体的に質問の数が少なかったことから、2回質問しました。

 まず、ずばり、「基地建設計画に賛成なのか、反対なのか」と質問。「この場では言えない」とのことでした。そこで、「自分の考えを言わないで市民の考えを聞き、その後自分の考えで決めてしまう、というのは筋が通らない。後出しジャンケンであり、フェアでは無い」と質問しましたが、逃げられました。

 また、他の質問に答える中で、昨日の臨時ニュースでもお知らせしたように9月議会のどこかで、自分の考えを述べる」とほのめかしました、これに対して、「自分の考えを述べた場合、それを市の正式決定とするのか、あるいは改めて住民投票等で市民の考えを確認するのか」と質問しました。これに応えて「どちらでもない!?」とのこと。食い下がりましたが、「確認事項以外の質問は避けるよう」との司会の言葉で封じられました。少なくとも、「自分だけで勝手に決めるな」という意見は、市長にも会場の参加者にも伝わったと思います。

 

 他にも興味深い質問がありました。まず、塰泊(あまどまり、馬毛島での漁を守ってきた浦)の漁師さんが、現場の漁師の意見を全く聞かず、定款違反の漁協組合長の要望だけで、必要の無い馬毛島葉山港の浚渫を認めたのはけしからん」と発言しました。これに対して市長は、グズグズとよく分からない言い訳を並べていました。「選挙の時の初心に返って、反対を貫け」という発言もありました。また、ある賛成派市議は「一円でも多くの交付金を取ってこい」と市長をけしかけました。

 

 総じて、市の思惑を超えて市民がもの申すことが出来るようになってきたようです。市民のみなさん、あと5回、説明会があります。ぜひ出席して自分の意見を発言してください。(※以下略)

 

 

▶8月19日の記事

昨日(818日)、3回目の市長説明会

 

 昨日の市長説明会(「自衛隊馬毛島基地(仮称)の設置に伴う市民の不安と期待に関する確認事項」に対する防衛省回答についての説明会)には、馬毛島情報局は参加出来なかったのですが、一人の参加者の発言内容が寄せられました。途中司会者から遮られたのですが、なんとか最後まで発言できたそうです。

 まさに「我が意を得たり」という発言でした。ご本人の同意を得て、紹介させて頂きます。

 

1.まず最初に今の司会の方の時間や発言内容の制限についての要請を聴いてガッカリしました。

もちろんコロナ予防は大切です、しかし今日ここへ集まっている人達は私も含め、皆、コロナのリスクも感じながら、尚、島の将来を心配し、市長の話を聴きたい、また市長に市民の考えや思いを聴いて欲しいと思い、集まっている人達です。入場に際し検温や除菌も行っています。市長は先の集会でも市民の声を出来るだけ聞いて結論を出したいと仰っていました。そうであれば、事務方から時間制限の話があっても、市長判断でそれを正す位の気概が欲しかったと思います。これだけでも市長のこの会に対する姿勢と真剣さの度合いが伺われ残念でなりません。

 

2.司会の方のご意向に沿わず申し訳ありませんが、防衛省の見解に対する意見は他の方が適切な指摘をされると思いますので、私はより根本的な問題についてお話をさせて戴きたい。

 

3.市長は昨年来市民の分断への懸念を度々口にされ、それを基地化への賛否を明確にしない言い訳にしているように感じますが、率直に言って、分断が広がったとすれば、そもそもその原因の一端は、市長の行動力不足と発信力の弱さ、言動の曖昧さにあると私は思います。

市長は、在任中に、市長の言われる「メリットよりデメリットが多い」ことの具体的内容を市民に直接語り、理解を得る努力をどれ程してきたでしょうか?

交付金に頼らない地域振興策についてどれ程具体的に市民に示したでしょうか?

市長は広く市民の声を聞いたとの話でしたが、一部業界団体の意見だけで、私が知る限り、私達一般市民の声を聴く機会はほとんどありません。以上のプロセスを十分踏まえず、防衛省に早々と「特段の配慮」を要請し、条件交渉に入ったことは余りに安易で無責任な進め方であり、多くの市民特に市長を一生懸命支援してきた人達は強いショックを受けています。

今回やっとこうした市民との意見交換の機会が持たれましたが、正直遅きに失したと思います。失礼ながら、この意見交換会が市民の意見に耳を傾けたと言うパフォーマンスに終わらないことを祈るばかりです。

 

4.また、市長の言う市民の分断に対する懸念ですが、賛成派・反対派何れの人達も島の将来を思ってのことです。私はいわゆる反対派ですが賛成派の人と親しく酒を酌み交わしながら議論したことがあります。しかし、これは健全な議論であって、喧嘩などではありません。

島での生活が平穏で豊かになればこうした分断は自ずと氷解します。

市民の多くはその位の見識はあります。市長には市民を見くびらないで欲しいと思います。

 

5.八板市長は種子島の歴史に将来必ず名を残す存在になります。ただ、残し方は2通りあります。

一つは「あの時、八板市長であったお陰で島の平穏と島民の命と生活が守られた」。

もう一つは「あの時、八板市長であったことが島民にとって何よりの不運であった」です。

 

6.政府は国を守ることが第一義です。その為に一部の国民が多少犠牲になってもやむを得ないとすら考えます。しかし、地域行政のトップは地域住民一人一人の平穏な暮らしと命を守ることが第一義だと思います。

 

7.馬毛島問題は誰が市長であっても、国を相手の極めて厳しい戦いです。しかし、5年前、八板市長はそれを承知の上で、基地化反対という強い信念を以って立候補し、多くの支持を得て、当選しました。どうかあの時の強い信念を思い起こし、今一度原点に立ち返えり、勇気を奮って戴きたい。

 

8.これからが市長の正念場です。市民にどうか不運な思いをさせない様、末代まで禍根を残すことの無いよう、地域行政の長として、政府・防衛省と堂々と渡り合って戴きたいと思います。

 

9.ご存知の通り、市長の卒業した榕城小学校の榕城魂は前田豊山の言われた「信無くば立たず」です。市長はその何よりも大切な市民の「信頼」を裏切らないで戴きたいと思います。

 

10.色々厳しいことを言いましたが、これは私の市長への応援と期待の裏返しです。

頑張って下さい! 以上です。

 

 

▶8月21日の記事

その後の市長説明会報告と評価、そして明日の最終報告会に向けて

 

8/20夜 伊関、安納(あんのう)、安城(あんじょう)校区

 

 私は、私用で出席できませんでした。ひとつ、話題になった質問があったようです。ある賛成派の市議が「米軍であるからと言って、種子島に来てもらっては困るというのはおかしい」、と発言したそうです。米軍の兵士と軍属は日米地位協定によって、治外法権が認められています。普通の旅行者では無くいのです。島民が危惧を抱くのは当然と思います。

 

 

 

8/21午後 榕城(ようじょう)校区2回目

 

 最初にするどい質問がありました。「市長は、市民の判断材料となる情報を得るためとして、賛否を言わないまま防衛省と具体的な協議を続けてきた。そこで、それぞれの市民が自分としての判断をした場合、その結果をどういう形で表明できるのか? 一般的には、選挙と住民投票ぐらいしか手段が無いのだが。」という質問です。そのどちらも考えていないとのことでした。

 

 関連する質問として、「この説明会に参加して発言できているのは、市民のごく一部である。サイレントマジョリティーの意見をどういう風に聞くのか?」という質問がありました。市長は、この質問には答えませんでした。

 

 私も、関連質問として「市長は再選挙も住民投票も考えていないとのことでした。最終決定は自分がするということですか?」と質問しました。「然り」とのことでした。市長は自分の意見を言わずして市民の意見を聞いているのです。民主主義を分かっていません。

 

 元市職員のある人が、市長のこの間の発言と行動を整理して意見を述べました。経過と本質がよくわかる質問でした。ご本人の了解を得て、最後に紹介しています。

 

 

 

8/21夜 現和(げんな)、立山(たちやま、たっちゃま)校区

 

 参加人数が少なめでした。何人かの人が、「参加者の限られている、一連のこの説明会だけで、市民の意見を聞いたと言えるのか?」と質問しました。市長は、市民の意見を聞く姿勢は持ち続けたいと答えました。明日までの説明会で市民の意見聴取は終了のようです。姿勢だけでは防衛省と一緒、というヤジが飛びました。

 

 私も当ててもらえましたので、質問では無く意見を述べました。「市としての決定をする前に、1辞任して再選挙、2住民投票、のいずれかを行って市としての最終決定とすべき」と要求しました。コメントはありませんでした。

 

 今日まで7回のうち6回の説明会が開かれました。市長は、「十分に説明し、かつ市民の意見を聞いた。あとは市長の責任で決める」とするようです。そして、十中八九は容認です。絶対に容認だけは、させてはなりません。

 説明会は、明日までです。質問しても、はぐらかした回答が返ってくるばかりで、再質問はできません。討論になりません。

 質問では無く、意見をぶつけましょう。「絶対に容認するな!」、「明確にノーと言え!」、「容認するつもりなら、再選挙か住民投票を行え!」と要求しましょう。最後の説明会に「容認反対」の声を集中することで、市長に少なくとも「容認」と表明することを躊躇させましょう。

 

 

 

8/20市長説明会での、もと市職員の発言

 

防衛省の回答について私の意見を述べさせていただきます 

 

全般 

防衛省回答はほとんどにわたって

「適切に対応してまいります」

「適切な対応を検討してまいります」

「皆様の声に耳を傾けてまいりたいと考えています」

「不安の払拭にも努めてまいります」

「地域への影響が最小限となるよう取り組んでまいります」

などと、将来に向かって約束する表現になっています。

しかし、この表現は、防衛省が信頼に足る相手であるか否かによって検討されなければなりません。

これまでの防衛省のとってきた態度を検証してみる必要があります。

2+2」で地元への説明もなしに、一方的に米国と合意した。

国会で審議もしていない。

土地買収について地元に説明したあとすぐに取得した。

しかも、部分的に買収し、支払いをすることで、抵当権の抹消に便宜を図った。

 また予算は米軍対策の関係費を流用し、国民の目に触れないよにした。

 前土地所有者の違法開発を不問にした。

 周回道路建設時の説明後、間髪いれず、入札発注した。

 環境アセスメントも一方的に実施した。

 基地建設のためのプラント建設の工事の入札を強行し、契約を行った。 

これらの対応は地元の意見を尊重したといえるのでしょうか。ことごとく地元の意見は無視されているではないでしょうか。

 

 この事を将来にあてはめてみれば、将来の姿が目に見えてきます。 

 種子島にはかつて戦時中の昭和17年に、中種子町増田に海軍飛行場の建設が政府の一存、命令によって決められました、地元種子島の住民、隣の屋久島、それに朝鮮の徴用工によって昼夜突貫工事を行って19年までに滑走路2本が建設されました。動員されたのは延べ数万人にのぼるといわれています。建設予定地の住民は何百年も続いた家屋敷を解き、後ろ髪を引かれる思いでこの地を去らなければなりませんでした。

昭和20318日に、種子島に初めての空襲があり、グラマン12機が西之表地区と増田飛行場を銃爆撃しました。以来、終戦まで島内各地で空襲は続きました。

終戦までに島の半数に当たる16千人に及ぶ兵員が種子島に駐留していました。

 戦前は地方自治は名ばかりで、国会も翼賛政治になっていたので、地元の意向などは全くと言ってよいほど尊重されることはありませんでした。

しかし戦後は新憲法の下で、地方も国と対等の立場でものが言えるようになりました。だからこそ、今、地方の声が国に反映されることが期待されているのです。

「国が決めたことだから、それに従がっているのが無難だ」というのは、戦前の感覚でしかものが見られない昔の発想ではないでしょうか。今日では国と地方は対等であるはずですから。

 

確認事項1に関して 

 FCLPの際の飛行経路は示された経路を飛行することは無いと「認識している」といいますが、たびたび飛行経路をはずれても、緊急の事態に対応するためやむをえなかったと済ませるつもりではないでしょうか。

 やむを得ず飛行した場合は、適切に対応するといいますが、一度でもそのような事態が生じた場合は、「事後のFCLP訓練は完全に禁止する」と約束すべきではないでしょうか。

 

確認事項2に関して

 早朝、夜間、土曜日曜の訓練について米側に申し入れるといいますが、市から追及されても「申し入れました」で終りになるのではないでしょうか。何の拘束力もありません。

「自衛隊の訓練については現時点では深夜、早朝に実施する計画はありません」とありますが、将来は「ありうる」といっているわけで、これでは安心を得ることはできません。

仮定の話ですが、訓練が始まって数年後には、基地建設に賛成した市民も含め、市民から思った以上にうるさい、安眠できない、心身の具合が悪くなった、どうにかしてくれ、という苦情が寄せられ、議会も、市も防衛省に掛け合うことになったとしても、米側に申し入れるとして、親身になってくれない、相手にされないのではないでしょうか。慰謝料として、基地再編交付金を上げているから我慢してもらうしかないと一蹴されるのが関の山ではないでしょうか。

 基地の騒音などによる住民の苦痛は未来永劫続くことになりますが、迷惑の代償としての再編交付金は10年間で仮に総額100億円だとすると、仮に100年続くとすると(沖縄ではすでに77年基地の下にある)、1年あたり1億円、人口15000人として一人当たり6666円、1日当たり18円という計算になります。騒音の慰謝料が1日一人当たり18円ということになります。しかも、それは、個人に給付されるわけではありません。個人には0円です。税金が下がるわけでもありません。こんな金額のために未来の平穏な生活を防衛省に売り渡していいのでしょうか。

 

確認事項5に関して

 デモフライトを深夜実施すべきです。

これを体験しなければ安心という理解はいつまでも得られません。

 

確認事項16に関して

 岳之腰がなくなってのっぺらぼうの島になってしまっては、島のシンボルを失うことになります。トーチカも記録保存ではなく、現状保存すべきです。これができなければ基地建設は断念すべきです。

 

確認事項17に関して

 学校跡地は、今後の馬毛島における環境学習の拠点として、確保すべきです。

もし、防衛省が基地建設を断念したら、馬毛島は防衛省から環境省に移管し、自然公園として利活用してもらいたいと希望します。

 

確認事項19に関して

 工事の契約がなされ、一部では工事が施行されているようですが、それをもって中止できないということはありません。基地建設計画を中止することになっても工事業者にはなんらの損害はありません。

工事契約では、中途解約の条項があり、発注者の都合による解約違約金や出来高払いの制度があり、補償されるからです。

ですから、市が計画に不同意でも何ら業者には不利益を与えることはありません。

防衛省が地元の同意も得ずに無理やり勝手に発注したに過ぎないからです。

もっとも、防衛省が常識に反する発注を行ったことについては、国会や会計検査院から指摘を受けることにはなるでしょうが。

 

確認事項20に関して

 基地建設は地方創生とは逆に産業を衰退させてしまいます。

漁業を営んでいる漁師さんが、海上タクシーなどで工事関係者の送迎や監視作業に従事することにより、賃料収入の方が魅力的になり、本業の漁業に向き合う意欲が減退する恐れがあります。

また、港湾建設で、豊富な漁業資源の喪失になります。馬毛島を人工の漁礁で代用しようとすればどれほど膨大な費用がかかるでしょうか。それほどに、今の馬毛島が漁場としていかに豊かであるかということを示しています。

 

その他

 マゲシカを轟音のもとにさらすのは動物の虐待ではないでしょうか。

 

結論

 以上のことから馬毛島の基地計画についてはきっぱりと断念していただくよう申し入れる、市長にはそういう態度を取っていただくように私は希望します。

 

 

▶8月23日の記事

最後の市長説明会

 

 昨日、最後の市長説明会が開かれました。最終日とあって、いつもより少し多めの市民が参加していました。市長のあいさつ、企画課長の説明は7回目なのに初日とほとんど変わりませんでした。これまで6回の説明会での市民の意見を、どう聞いてきたのでしょうか。

 昨日は、反対の立場だけではなく賛成の立場での質問も多く聞かれました。ある賛成の立場の人が、「この説明会を聞いていて分かるように、反対の人は反対、賛成の人は賛成であり、歩み寄りは難しい。しっかりと住民投票で決めたらどうか」と提案しました。これに対して市長は「住民投票は考えていない。市長として私が決める。私は前回市長選で4年間を付託されたのだ。」と答えました。なんというお高い発言でしょうか。民主主義を完全にはき違えています。

 この7回で明らかになった、市長の考えをまとめてみました。私の解説つきです。

 

 

 

1 昨年12月から今年の1月にかけての政府の基地建設決定で、局面が変わった。

政府決定は、当然予想されていたことです。

 

2 反対というだけでは情報が得られないので、市民に判断の材料を与えるために、基地を作るとすればということで協議に臨んだ。

このことが、防衛省の建設推進にお墨付きを与え、実質的な協力となりました。

 

3 その結果、今回の確認書を得た。そこで、自分が市長として判断するために、本日まで市民の意見を聞く場を作った。

コロナ蔓延を理由に市長が各地区を廻ることをやめ、コロナ蔓延を理由に質問を制限し、質問にはまともに答えない説明会でした。

 

4 市民の意見を聞く姿勢は持ち続けるが、この一連の説明会で聞いた市民の意見をもとに、自分が市長として判断する。再選挙、住民投票は考えていない。

本当に偉すぎる市長さんです。独裁者と呼ぶべきですね。

 

この間、「市民に判断の材料を提供したというが、市民は自分の判断をどう表明するのか。再選挙か、住民投票か」という質問に、「いずれも考えていない」と答えています。「市民の意見を聞くというが、この説明会のあと具体的にどうするのか」という質問にも、「市民の意見を聞く姿勢は持ち続けたい」とだけの答えです。

 三宅の読みです。市長は、十分に市民の意見を聞いたとして、9月議会の中で自分の考えを表明し、それを市としての意思表示にします。そして、その中身は「容認」です。

 9月4日()午後に、馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会が「市長にノーを要求する大集会」を計画しています。市議会は9月2日からです。早急に、市長に公約遵守を求める声を強める必要があります。市民のみなさん、市長に電話してください。メールしてください。手紙を書いてください。市長への連絡先を再掲しておきます。市民だけでなく、馬毛島を憂える全国のみなさん、市長に電話してください。メールしてください。手紙を書いてください。みんなの声で市長に「容認」表明を躊躇させなければなりません。

 

(※以下略)

 


 

※資料

「自衛隊馬毛島基地(仮称)の設置に伴う市民の不安と期待に関する確認事項について(回答)」

2022年8月9日

コメント: 0 (ディスカッションは終了しました。)
    まだコメントはありません。